サウド・サウジ外相が語るテロとイラク
2005年11月号

「(イラクの)シーア派とスンニ派間に内戦が起きるのを放置すれば、それでイラクは終わりだ。分裂するだけでなく、各地域で紛争が起き、この地域全体が出口のない混乱へと陥っていく。イラクの紛争にイランもトルコも介入してくる。アラブ世界全体が紛争へと巻き込まれていく。したがって、まずスンニ派とシーア派の和解を成立させる必要がある」(サウド・ファイサル)
1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。
2005年11月号
「(イラクの)シーア派とスンニ派間に内戦が起きるのを放置すれば、それでイラクは終わりだ。分裂するだけでなく、各地域で紛争が起き、この地域全体が出口のない混乱へと陥っていく。イラクの紛争にイランもトルコも介入してくる。アラブ世界全体が紛争へと巻き込まれていく。したがって、まずスンニ派とシーア派の和解を成立させる必要がある」(サウド・ファイサル)
2005年10月号
イラクから米軍が時期尚早に撤退すれば、ゲリラ勢力による武力抗争が血なまぐさい内戦へとエスカレートし、シリアとイランがイラクに大がかりに介入してくる危険もある。一方、ゲリラ勢力を殺害することに焦点を合わせた現在の米軍戦略にも出口はない。だが、イラクの治安を強化し、イラク人治安部隊を十分に訓練して、イラク人が治安を守り、国を再建するための機会を与えれば流れは変えられるし、米軍の段階的なコスト削減にも道が開けてくる。
2005年7月号
北朝鮮やイランへの政権交代策、限定的な軍事行動、抑止策など、これらは、いずれも個別の選択肢として検討し得るものだが、これらを外交路線を支える包括的なアプローチを構成する要素として位置づけるべきだろう。外交を重視しなければならない。外交交渉なら成功の見込みがあるし、強硬策への国際的支持を取り付けたいのなら、まず外交的にすべてを試み、それがうまくいかなかったことを立証しなければならないからだ。
2005年6月号
2005年6月号
独裁や抑圧を、中東では昔から行われてきた統治手法とみなすのは間違っている。こうした見方は、アラブの歴史への無知、現在のアラブへの軽蔑、そしてアラブの未来に対する無関心の裏返しにすぎない。中東の抑圧政権はごく最近登場したものだし、イスラム文明の基盤とは異質なものだ。中東には民主主義を支えるアラブの伝統があるし、イラクでの選挙の成功は、長く苦しみ続けた中東の人々がついに自由と正義を実現する機会を手にしていることを意味する。
2005年3月号
核兵器の価値を認め、核拡散を不可避とみなす宿命論が勢いを得ていけば、新たな核武装化の波が起きる。北朝鮮やイランの核開発の脅威を前に、世界は無節操な核拡散へ向かいかねない危険な状態にある。この潮流を押し返せるとすれば、核の平和利用という名目の下に何が許されるのかを再定義することに各国が前向きになり、すべての国が合意するコンセンサスをとりまとめられた場合だけだろう。
2005年3月号
「民生目的と称して、外部から必要な技術のすべてを導入して完全な核燃料サイクルを完成し、NPT第十条の条約脱退の権利を行使して、『状況が変わったので、核兵器を生産する』とイランが言い出したらどうするのか」。NPTの欠陥をこう指摘する核不拡散問題の専門家ローレンス・シェインマンは、五月のNPT再検討会議では、このシナリオをめぐって多くの議論が行われると予測する。新型核の開発に関心を持っているアメリカはNPTを順守していないと批判されても仕方がないとコメントする同氏は、非核保有国が条約上の義務を守るように要請するとともに、核保有国も条約上のコミットメントを守らなければならないと強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
2005年3月号
核開発を重視するイランの保守派イデオローグと、深刻な状態にある経済の再建の必要性を重視する保守派リアリストの間には大きな亀裂がある。ワシントンは、欧州、日本などの同盟国からの協調を取りつけた上で「核兵器か経済の安定か」の二者択一をテヘランに迫り、リアリストの立場を強化するために、イラン経済を再生させるような大きな見返りか、あるいは、経済を完全に疲弊させるような厳格な経済制裁を準備しておく必要がある。アメリカと同盟諸国は、核開発を阻止するために兵器かバターかをめぐる最後通牒を突きつけるチャンスを手にしている。
2005年2月号
武装ゲリラ勢力に対抗し、彼らを粉砕する力を持つイラク政府を誕生させることを最重要課題とみるマックス・ブート(米外交問題評議会シニア・フェロー)は、イラク治安部隊の整備と強化を最優先に取り組む必要があると指摘し、仮に治安部隊の整備がうまくいかない場合には、米軍の規模を倍増させるか、あるいは、大幅に削減させることを提言している。 聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
2005年2月号
ワシントンがイラクから撤退の約束をすれば、イラク人、イラクの近隣諸国、国際社会も、対米批判を超えて「イラクの長期的な安定こそが自分たちが共有する利益である」という事実に目を向けるようになる。ワシントンはイラクでの最終目的を、イラク政府が統治できる安定した環境の整備、そして「環境が整い次第米軍を全面撤退させること」に据えるべきだろう。