中国の政治改革は進んでいるのか
――変貌する中国にどうかかわっていくか
2004年6月号

かつて中国指導層は、経済成長さえ実現すれば、民衆に医療や社会保障を提供し、基本的人権や環境を守るという責務から自分たちは放免されると考えてきた。しかし、その結果、政府の腐敗や犯罪が広がりをみせ、社会保障システムが形骸化し、人々の政府への信任が失われていった。こうした社会的不満を和らげていかないことには、体制を存続できないことを理解した中国の指導者たちは、政治改革路線で状況に対応しようと試みだしている。