1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

中国に関する論文

中国の政治改革は進んでいるのか  
――変貌する中国にどうかかわっていくか

2004年6月号

エリザベス・エコノミー/米外交問題評議会アジア研究ディレクター

かつて中国指導層は、経済成長さえ実現すれば、民衆に医療や社会保障を提供し、基本的人権や環境を守るという責務から自分たちは放免されると考えてきた。しかし、その結果、政府の腐敗や犯罪が広がりをみせ、社会保障システムが形骸化し、人々の政府への信任が失われていった。こうした社会的不満を和らげていかないことには、体制を存続できないことを理解した中国の指導者たちは、政治改革路線で状況に対応しようと試みだしている。

離陸した経済超大国、中国に注目せよ

2003年12月号

デビッド・ホール ホール・アドバイザーズ会長
リリック・ヒューズ・ホール チャイナ・オンライン発行人

経済改革とそれが伴う変化が、地域間格差、失業問題などの社会問題をつくり出しているとしても、中国は、力強い民間部門を育成し、ほぼ五千億ドルもの外国からの直接投資(FDI)を導入し、世界の輸出大国の仲間入りを果たした。

大国中国で進行する静かな外交革命

2003年11月号

エバン・S・メデイロス/ランド研究所アジア担当リサーチスタッフ
M・テイラー・フラベル/ハーバード大学オリン研究所フェロー

中国は国際社会におけるこれまでの対決色を弱め、より洗練され、自信に満ちた態度をとるようになり、国益を促進する手段として国際的制度、ルール、規範で織り上げられた国際社会のシステムを受け入れている。一部では、国際システムを自ら形づくろうとさえしている。  
見事な経済成長から得た自信ゆえに、近代の国際社会のすべてを「150年におよぶ屈辱の歴史」というレンズを通してみることをやめ、「大国としての中国」という認識を基準に外交路線を考えるようになっている。

米外交問題評議会インタビュー
親密さを増す米中関係の行方

2003年9月号

エリザベス・エコノミー 米外交問題評議会シニア・フェロー

「米中関係はいまや最善の状態にあり、ブッシュ政権の対中アプローチも劇的に変化している」とエリザベス・エコノミー(米外交問題評議会シニア・フェロー)は指摘する。北朝鮮、対テロ戦争をめぐって、中国がアメリカの立場に配慮してくれたことが両国の関係を大きく前進させ、また、イラク戦争をめぐって中国がロシアやフランスに組みせず、冷静な対応を示したことによって、米中関係は「質的な変化」を遂げた、と。
邦訳文は二〇〇三年九月十二日に行われたインタビューからの抜粋。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)

以下は、これまでに発表された北朝鮮関連のフォーリン・アフェアーズ論文、米外交問題評議会リポート、ガーズマン・インタビューシリーズなどを資料にフォーリン・アフェアーズ・ジャパンで作成したQ&A集。資料として用いた論文、リポート、インタビューの一部は、www.cfr.org、www.foreignaffairs.orgあるいはwww.foreignaffairsj.co.jpからアクセスできる。参考文献については文末を参照。

北朝鮮危機とアメリカの東アジア戦略の大転換
―米戦略の重心は日本から中国へ?

2003年7月号

モートン・アブラモウィッツ 元カーネギー国際平和財団会長
スティーブン・ボスワース 元駐韓米大使

中国の経済的・地政学的台頭、日本の地域的影響力の低下、自主路線を強める韓国、そしてアメリカの対テロ戦略。北朝鮮危機の背後で展開するこれら一連のトレンドは、アメリカの東アジア戦略を大きく変化させ、アジアの安全保障地図を大きく塗り替えることになるだろう。
すでにアメリカは中国とより緊密な関係を築き始め、アメリカにとっての日本の戦略価値は大きく低下している。北朝鮮危機、中台問題はどうなるのか。韓国、日本の駐留米軍は撤退するのか。

Classic Selection 2003
CFRリポート
中国の軍備近代化努力をどうとらえるか

2003年7月号

スピーカー
ハロルド・ブラウン タスクフォース議長 元米国防長官
ジョセフ・プルーハー タスクフォース副議長 元駐北京米大使 元米海軍提督
タスクフォース ディレクター
アダム・シーガル 米外交問題評議会シニア・フェロー

「日本が今後も主要な地域的軍事パワーになることを選択せず、北京が現在の軍事力近代化路線を維持すれば、20年後の中国は、東アジアにおける支配的な軍事力を確立している」(CFRタスクフォース・リポート)

北朝鮮政策に関する提言
――強硬策ではなく、封じ込めと限定的関与策を

2003年2月号

ジェームズ・レーニー 、モートン・アブラモウィッツ 米外交問題評議会・朝鮮半島問題タスクフォース共同議長

アメリカとその同盟諸国の反対だけでなく、中国の反対をも押し切って、北朝鮮が使用済み核燃料の再処理を進めれば、そのときは本当の危機が起こるかもしれない。こうした事態が現実とならないように、われわれは限定的エンゲージメント政策への将来的移行を踏まえた、多国間協調型の封じ込め政策をとるべきである。そのためにも、北朝鮮に誘因を与えることが適切と判断される場合には、その可能性を模索できるだけの政策上の柔軟性を残しておく必要がある。

中国に蔓延するHIVの脅威

2003年1月号

ベイツ・ジル ブルッキングス研究所外交政策研究担当上級研究員 、ジェニファー・チャン 同外交政策研究プログラム、リサーチ・アシスタント 、セーラ・パーマー 米国立衛生研究所研究員(ウイルス学)

中国のHIV感染ルートには、南部の国境周辺における麻薬用の注射針の使い回しによる感染、東部沿岸地域での性交渉による感染、そして内陸諸省における違法で危険な売血による感染という三つがあり、これらが一つに収斂しつつある。
国連エイズ計画(UNAIDS)は中国のHIV感染者は百万人以上であると推定しているが、実際にはその二倍、三倍の感染者がいる可能性もある。UNAIDSは、対策を講じなければ、二〇一〇年までに中国のHIV感染者は二千万人に達すると警告している。

CFRインタビュー
新指導層と中国の行方

2003年1月号

エリザベス・エコノミー  米外交問題評議会シニアフェロー

以下は、エリザベス・エコノミー米外交問題評議会(CFR)シニアフェローによる中国の新指導層と改革の行方に関するコメント。
(聞き手はバーナード・ガーズマンCFR・orgのコンサルティング・エディター)

私は、インターネットによって連携・団結した中国の労働者・農民の大規模な抗議活動が中国全土で起こり、中国のシステム全体にかかわる課題が新指導層に突きつけられるのではないかと考えている。つまり、中国共産党にとっての本当の課題は、クリーンなシステムを築き、法の支配を推進し、政治・経済システムの両方で透明性を高めることだ。そうした改革なくして、中国共産党が長続きすることはない。

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