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アメリカは同盟国を本当に守れるのか
―― 拡大抑止を再強化するには

マイケル・オハンロン ブルッキングス研究所 シニアフェロー(外交政策プログラム)

Can America Still Protect Its Allies? How to Make Deterrence Work

Michael O’hanlon ブルッキングス研究所シニアフェロー、リサーチディレクター(外交政策研究プログラム)。最近の著書にThe Senkaku Paradox: Risking Great Power War Over Small Stakes(尖閣パラドックス)がある。同氏が過去にフォーリン・アフェアーズ誌で発表した論文には「ミサイル防衛の可能性と限界」(2000年1月号)などがある。

2019年9月号掲載論文

尖閣諸島の防衛を約束しているとはいえ、中国は「価値のない岩の塊のためにアメリカが大国間戦争のリスクを冒すことはない」と考えているかもしれない。一方、ワシントンが信頼できる形で反撃すると約束しなければ、拡大抑止はその時点で崩壊し、尖閣の喪失以上に深刻な帰結に直面する。アメリカが何の反応も示さないことも許されない。これが「尖閣パラドックス」だ。今後の紛争は、大規模な報復攻撃を前提とする伝統的な抑止が限られた有効性しかもたない、こうしたグレーゾーンで起きる。中国とロシアの小規模な攻撃に対しては、むしろ、経済戦争、特に経済制裁を重視した対応を想定する必要がある。脅威の質が変化している以上、ワシントンは軍事力と経済制裁などの非軍事的制裁策を組み合わせた新しい抑止戦略の考案を迫られている。

  • 変化した脅威と新しい抑止
  • トランプ発言の波紋
  • 新たな拡大抑止戦略を
  • 平和を維持する

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