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イギリスのブレグジット・ジレンマ
―― イギリスの解体か保守党の分裂か

マティアス・マタイス ジョンズ・ホプキンス大学助教

Theresa May’s Brexit Dilemma: It Comes Down to Party vs. Country

Matthias Matthijs ジョンズ・ホプキンス大学のポール・ニッツェ・スクール 助教。著書に、『イギリスの理念と経済危機の歴史―アトリーからブレアまで』(Ideas and Economic Crises in Britain From Attlee to Blair) がある。

2018年2月号掲載論文

今後数カ月でEU離脱推進派の主張のまやかしが白日の下にさらけ出される。イギリスは2019年3月にEUを離脱する。しかし短期的にはイギリスが主権を完全に取り戻すことはない。移行期においてEUは現状を維持する一方で、イギリスの声はEUの意思決定に反映されることはなくなる。移行期間中のイギリスはEU加盟国としてのあらゆる義務を負う一方で、EUにおける議決権を失う。しかも、どのようなブレグジットを望んでいるのか、イギリス国内にコンセンサスはない。長期的には、保守党が分裂して(国民投票のやり直しを示唆している)労働党が政権をとるかもしれないし、あるいは、イギリスは国家分裂してイングランドとウェールズの連合へと縮小していくかもしれない。2018年、テリーザ・メイは保守党あるいは国家の統一のどちらを優先するか、その選択を迫られることになるだろう。

  • メイのジレンマとは
  • 移行期に何が起きるか
  • ノルウェーモデルとカナダモデル
  • 国家解体?
  • 保守党あるいは国家の統一

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