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ヨーロッパを待ち受ける忌まわしい未来
―― もはや衰退は回避できない

アンドリュー・モラフチーク プリンストン大学教授(政治学・公共政策)

Europe’s Ugly Future

Andrew Moravcsik プリンストン大学・ウッドロー・ウィルソンスクール教授(政治、公共政策)。同大学欧州連合研究プログラムディレクター。

2016年12月号掲載論文

現在の政治状況からみれば、ユーロゾーンからの離脱も起きず、ユーロゾーンを機能させるための大がかりな改革も行われず、おそらくは、泥縄式に生きながらえていくための措置が小出しにされていくだけだろう。長期的に考えると、このやり方は最悪の結果をもたらすかもしれないが、それでもこの路線がとられる可能性がもっとも高い。壊滅的な経済危機が起こらない限り、ヨーロッパは自ら招き入れた緊縮財政のなかで泥縄式に生きていくしかなく、この選択ゆえに将来の見込みも、世界における地位も損なわれていく。「政治同盟やヨーロッパの深化(more Europe)についてのあらゆる議論は、民主的なヨーロッパ連邦への一歩ではなく、むしろ長期的な危機という鉄格子に入り、純然たるヨーロッパの民主的連邦への道を閉ざすことにつながっていく」

  • ヨーロッパの失われた10年
  • 経済停滞とポピュリストの台頭
  • 衰退の構図
  • システムの改革が実現しない理由
  • 泥縄式に切り抜ける
  • ユーロの終焉?
  • 改革を阻む現実

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