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2024.2.13 Tue

欧米の所得二極化、中国経済の衰退
―― 変化する世界経済

世界的な不平等が縮小しても、各国の社会的・政治的混乱が緩和されるわけではない。実際、米英、日独などの世界の富裕層は世界トップレベルの所得を維持しているが、非欧米諸国の所得レベルが上昇し、欧米の貧困層や中間層に取って代われば、豊かな国々における富裕層とそうでない人々との二極化、格差はさらに大きくなる。(ミラノヴィッチ)

中国では家計貯蓄が急増し、民間の耐久消費財消費が大きく減少している。この現象を「経済領域におけるコロナ後遺症」とみなすこともできる。特定の政策がある日突然拡大され、次の日には撤回される事態を経験した人々は、景気刺激策を含む政府の経済対策に反応しにくくなる。(ポーゼン)

ドル覇権に付随する「法外な特権」も、いまやそれほど「法外」ではなさそうだ。ドル需要の高さ故に低利で資金を迅速に入手できるとしても、ドル価値が高く評価されると、アメリカへの輸入品は安くなり、輸出品は高くなる。こうして、国内の製造業は傷つき、失業も増えるために、もはやドル覇権を放棄すべきだと主張するアナリストもいる。(シリプラプ、バーマン)

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