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2023.6.22 Thu

資本主義の危機と社会保障
―― どこに均衡を見いだすか

冷戦後には、極右、極左勢力が、反グローバリズムと社会的保護政策を支持し、労働者階級の有権者を取り込もうと試み、これに成功した。欧米社会の反グローバリズム感情を抑えるには、国際政策が国内における労働者階級の家庭に恩恵をもたらすことを実感できるようにしなければならない。世界に国を開くことと国内の経済安全保障を守ることの間のバランスを取り戻す必要がある。(トルボウィッツ、ブルグーン)

20世紀初頭から中盤にかけては、そうしたコンセンサスがなかったにも関わらず、一連の社会保障政策が導入され、格差は大きく縮小した。これは、政治指導者たちが、共産主義革命に象徴される社会革命運動を警戒したからだった。だが、冷戦が終わり、平和の時代が続くと、市民の国家コミュニティへの帰属意識も薄れ、福祉国家は深刻な危機の時代を迎えた。(ロザンヴァロン)

資本主義は人々に恩恵をもたらすだけでなく、不安も生み出すために、これまでも資本主義の進展は常に人々の抵抗を伴ってきた。実際、資本主義社会の政治と制度の歴史は、この不安を和らげるクッションを作り出す歴史だった。資本主義と民主主義が調和して共存できるようになったのは、20世紀半ばに近代的な福祉国家が誕生してからだ。(ミューラー)

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