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2023.4.10 Mon

反米パートナーシップのリアリティ
―― 中ロ同盟のポテンシャルと限界

ウクライナ侵略は、アメリカの関心と資源をインド太平洋地域から遠ざけ、ロシアは経済的生命線を中国に頼らざるを得なくなっている。しかも、重要な天然資源、特に石油やガスをロシアから安価に入手できる。この計算を前提にしたのか、今回も、習近平はロシアが十分に戦いを継続できる道徳的・物的支援を提供しつつも、ロシアが優位を得るのに必要な支援には踏み込まなかった。(グラハム)

習近平が、「より欧米中心ではない世界」を目指すためのパートナーにプーチンを選んだことは、結果的に逆効果になるかもしれない。北京とモスクワの優先順位には食い違いがあり、ロシアの先行きもみえないために、両国が協調して既存秩序を抜本的に変革していく能力には限界がある。(キム)

中ロは、アメリカによる経済制裁の痛みから逃れようと、自国通貨での決済を増やして、ドルシステムへの対抗バランスを形成しようと試みている。一方、安全保障の視点からドル支配体制の強化を望む国もある。不安定な国際環境のなか、各国は「友好国との地政学的経済関係」を重視しており、これが、世界最大の安全保障ネットワークの中枢に位置するアメリカとその通貨であるドルに新たな優位をもたらしている。(ノーロフ)

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