Focal Points

2022.9.22 Thu

<10月号プレビュー>
プーチンが再現したい過去
――ウクライナ戦争は続く

プーチンは、ウクライナ、ヨーロッパ、そして全世界を、彼の歴史観にフィットするように再構築したいと考えている。バルト帝国やオスマン帝国との戦争を経て現在のウクライナ領を手に入れたピョートル大帝やエカテリーナ2世の像をモスクワの執務室に飾っているのには理由がある。だが彼は歴史を誤解し、曲解している。ピョートル大帝はヨーロッパ人をロシアに招き、経済発展に貢献させ、西洋への窓を開いた。プーチンは侵略と領土拡大を通じて、その窓を閉ざしてしまった。ピョートルはロシアを未来へと導き、プーチンは、ロシアを過去に押し戻そうとしている。(ヒル、ステント)

イタリアではロシアエネルギーからの離脱を唱える政権が倒れ、その後、フランスのマリーヌ・ルペンは、ロシアに対する「無意味な」制裁に終止符を打つように訴えた。経済的・政治的な圧力の下、これまでウクライナ戦争に対するヨーロッパの反応の特徴だった連帯が脅かされている。足並みの揃った行動をとらなければ、ヨーロッパはいつまでたっても、自らの価値観と市民の基本的必要性の間で揺れ動くことになり、このままでは欧州統合そのものが打撃を受けることになりかねない。(デニソン)

専門家の多くは、交渉によるウクライナ戦争の解決は当面実現しないと考え、血塗られた膠着状態が続くと予測している。この認識は正しいが、すでに長期化している戦争に破滅的なエスカレーションメカニズムが埋め込まれていることが過小評価されている。米軍が介入した場合、プーチンを核使用に走らせることなく、ウクライナを救えるのか。ロシアがウクライナ軍にひどく追い込まれた場合には、モスクワが核を使用する恐れはないだろうか。エスカレーションの先にあるものは、第二次世界大戦を超える犠牲と破壊という、まさに壊滅的な事態かもしれない。(ミアシャイマー)

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