Focal Points

2021.1.28. Thu

<2月号プレビュー>
アジア秩序をいかに支えるか、ビッグテックが民主主義を脅かす、分裂と相互不信をいかに修復するか

北京の行動が、アメリカやアジア諸国の「インド太平洋秩序」のビジョンと衝突するのが避けられない以上、ワシントンはシステムを強化するために他国と協力し、北京が生産的に秩序にエンゲージするインセンティブを与え、一方で中国が秩序を脅かす行動をとった場合のペナルティを他の諸国とともに考案しておく必要がある。秩序のパワーバランスと正統性をともに維持するには、同盟国やパートナーとの力強い連帯、そして中国の黙認と一定の応諾を取り付けておく必要がある。(キャンベル、ドーシ)

ビッグテックを抑え込むべきか。その経済的根拠は複雑だが、政治的にはそうすべき説得力に満ちた理由がある。すでにアメリカとヨーロッパの双方で、政府はビッグテックに対する独占禁止法違反の訴訟を開始しており、裁判は今後何年にもわたって続くだろう。だがこのアプローチは最善の方法とは必ずしも言えない。むしろ、この問題に対処できるのはミドルウェアだろう。現在、プラットフォームが提供するコンテンツは、人工知能プログラムによって生成された不透明なアルゴリズムによって決定されているが、ミドルウェアを使えば、ユーザーが管理を取り戻せるようになる。(フクヤマ、リッチマン、ゴエル )

「すべてのアメリカ人の大統領になる」。現状からみて、これほど難しい課題もない。支持政党を分ける大きな要因はもはや政策ではなく、心の奥底にある価値観やアイデンティティだ。このために(自分の支持政党ではない)「もう一つの政党」は反対政党であるだけでなく、敵とみなされている。そして政治とは、共通の問題に対処していくための妥協点をみつけることではなく、自分の側が相手に勝利を収めるための闘いとみなされている。バイデンはブルーカラーの労働者、高齢の文化的伝統主義者、急進的な変化を恐れる女性たちに寄り添っていくつもりだ。警察の予算を打ち切ることはなく、中産階級の増税もしない。彼は社会を統一したいと考えている。(ソーヒル)

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