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2021.1.25. Mon

<アンソロジーVol.47より>
新しい勢力圏と大国間競争、デジタル独裁国家の夜明け、監視資本主義と暗黒の未来

中国とロシアは自国の利益や価値のために、欧米の利益を無視して、公然とパワーを行使するようになり、ワシントンも、地政学が「大国間競争」によって規定されていることを認識している。今後、アメリカの役割は変化するだけでなく、小さくなっていく。すでに世界には複数の勢力圏が存在することをリアリティとして受け入れ、「実現不可能な野望」は放棄し、勢力圏が地政学を規定する中核要因であり続けると言う事実を受け入れる必要がある。(アリソン)

AIをはじめとする技術革新は日常生活を改善する素晴らしい未来を約束する一方で、権威主義体制の締め付け強化に利用されてきた。権威主義国はインターネットをはじめとする新テクノロジーの犠牲にされるどころか、それから恩恵を引き出している。事実、巨大な治安組織を必要とする警察国家を築かなくても、新テクノロジーを購入して、その使い方を、(輸入元である)中国のような外国の力を借りて一握りの役人に教えれば、それだけでデジタル権威主義国家の準備は整う。(テイラー他)

「監視資本主義=サーベイランス・キャピタリズム」が台頭している。フェイスブックとグーグルが主導するこの産業は、バーチャル世界から現実世界へとサーベイランスの範囲を拡大し、個人の生活の内側に入り込んでいる。ユーザーデータの収集・分析から、ユーザーが「今かすぐ後、あるいはしばらく後にとる行動」を予測することへ流れは移行しつつある。しかも、予測を的中させるもっとも効率的な手法は、予測されている行動をとるように仕向けることだ。(スター)

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