Focal Points

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2020.4.15 Wed

ウイルスを東アジアはいかに封じ込めたか
―― デジタル権威主義と民主的サーベイランス

ウイルスの拡散を封じ込めようと奮闘するなか、欧米のリベラルな民主国家は、アウトブレイクを制限するための中国のやり方に注目し、権威主義的な手法の一部を採用すべきかどうかを考えている。パンデミックとの闘いにおいて強固なサーベイランス体制が不可欠であることを東アジア諸国はすでに立証しているのは事実だ。一方で、欧米の民主国家は、自国の市民を守るための「民主的サーベイランス」を確立しなければならない。今後数年間で、疫学とテクノロジー部門での世界的な混乱が重なり合い、グローバルな歴史が形作られることになるだろう。(ライト)

われわれが所属する非営利組織は「新型コロナウイルスがアジアでコウモリから人間へと感染を広げていく恐れがある」とかねて警告してきた。この60年にわたって、人獣共通感染症のほとんどの病原体は、農業、食糧生産、土地利用の変化によって、あるいは(野生動物取引市場などにおける)野生動物とヒトの接触によって発生してきた。これを抑え込むにはハイリスクの農業、食糧生産法をより安全なやり方へ移行させるために、土地利用に関する国内の法律・規制と国際的な法・ルールを強化し、調和させる必要がある。(マッカラバ、カレシュ )

公衆衛生担当省は、病院における集中治療の需要が急激に高まることを想定した対応計画を考案すべきだし、国と地方の当局は、アウトブレイクが起きた地域での社会的隔離策をとることに備える必要がある。どのような事態なら(学校や職場の閉鎖などの)抜本的な社会的隔離策をとるかを考えておくべきだ。社会的隔離に関する社会の応諾と支持を維持していくには、その計画の目的と詳細、なぜそれが必要かについて適切に社会との意思疎通をはかっていく必要がある。(コーリング)

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