Focal Points

2019.9.6 Fri

<9月号プレビュー>米中衝突を考える
中国対外行動の源泉、アメリカは同盟国を本当に守れるのか、ほか

中国はかつてのソビエト同様に、共産党が支配する独裁国家だが、違いは国際主義ではなく、ナショナリズムを標榜していることだ。しかも、アジアにおけるアメリカの立場と地位を粉砕しようとする中国の路線は、スターリンのヨーロッパに対する試み以上に固い決意によって導かれているし、中ロ同盟出現の危険もある。何らかの(国家的、社会的)統合要因が作用しなければ、目的を見据えて行動するアメリカの能力の低下によって、多くの人が考える以上に早い段階で、恐れ、憎しみ、野望によって人間の本能が最大限に高まるような制御できない世界が出現する危険がある。(ウェスタッド)

尖閣諸島の防衛を約束しているとはいえ、中国は「価値のない岩の塊のためにアメリカが大国間戦争のリスクを冒すことはない」と考えているかもしれない。一方、ワシントンが信頼できる形で反撃すると約束しなければ、拡大抑止はその時点で崩壊し、尖閣の喪失以上に深刻な帰結に直面する。アメリカが何の反応も示さないことも許されない。これが「尖閣パラドックス」だ。脅威の質が変化している以上、ワシントンは軍事力と経済制裁などの非軍事的制裁策を組み合わせた新しい抑止戦略の考案を迫られている。(オハンロン)

2015年に習近平が発表した軍民融合政策は、あらゆる民間企業に軍と協力することを求めており、これは、(外国企業にとって)中国企業とのビジネスがたんなるビジネスではないこと、つまり、ハイテク部門で中国企業と取引すれば、その意図にかかわらず、中国の軍事利益の強化に手を貸すことを意味する。政府の民間ビジネスへの干渉は良いことだとは思わない。しかし、この現実ゆえに、われわれは国家安全保障を市場経済政策よりも重視しなければならない。(ヘイリー)

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