Focal Points

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2019.9.5 Thu

<9月号プレビュー>
米中経済のディカップリングの意味合い
―― 解体するグローバル貿易システム

トランプ政権は、中国政府が「国が支配する経済」から「市場経済」へと一夜にしてシステムを作り替えることを望んでいる。中国経済のあらゆる側面への管理を維持することで、権力を堅持してきた共産党政府がこれを受け入れるはずはない。各国はライバルの貿易ブロックのどちらかを選ばざるを得なくなり、これまでの「グローバル貿易システム」は解体へ向かう。(ボウン、アーウィン)

2019年に入って最初の5カ月で、中国の対米輸出は4・8%減少したが、同時期に、中国にとって最大の貿易相手である欧州連合(EU)への輸出は14・2%上昇し、EUからの輸入も8・3%上昇している。一方、アメリカの対中輸出は2019年に入って以降の最初の5カ月で26%以上の落ち込みをみせた。米中経済の切り離しのあるなしに関わらず、中国はアメリカからの経済独立コースを着実に歩み続けている。(ネーサン)

ファーウェイのシステムを導入すれば、情報や安全保障上の安全を確保することはできなくなるとワシントンは主張しているが、ファーウェイシステムの導入を止めるように大きな圧力をかけるよりも、アメリカは価格や効率面で競合できる代替策を各国にオファーできるように対策をとり、サイバーセキュリティを強化し、5Gテクノロジーおよびその後継テクノロジーをリードできるように研究開発に投資しなければならない。(シーガル)

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