Focal Points

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2019.6.11 Tue

トランプの撤退宣言とシリアの現実
―― 介入目的を下方修正するしかない

2018年12月、トルコのエルドアン大統領との電話会談後、トランプ米大統領はシリアからの米軍撤退を命じるという驚くべき決定を下し、アメリカのシリア戦略を根底から覆した。バッシャール・アサドが退陣することも、イランがシリアからいなくなることもあり得ないし、トルコは厄介なプレイヤーのままだろう。(マクガーク)

ロシア、イラン、トルコ、アメリカというシリア内戦に介入している外部パワーは、アサド政権同様に、紛争終結を望みつつも、譲歩を拒んでいる。ロシアは内戦を終結へ向かわせるという大きな目的から、紛争終結のカギを握る(反政府勢力への影響力をもつ)トルコの協力を失うような危険は犯したくないと考えている。(ステイン )

ロシアとイランも、シリア東部におけるイスラム国勢力の崩壊によってシリア政府が失地を回復するチャンスがもたらされると考え、アサド軍支援を強化している。当然、米ロの安全に関する覚書が、今後シリアにおいて試されることになるし、控えめにみても偶発事故が起きる危険は高まっている。(タブラー)

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