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2019.12.26 Thu

<Agenda 2020>
人工知能とデジタル世界

AIは医療から交通に至るまでのあらゆる分野で大きな恩恵とともに大きなリスクも生み出す。最大のリスクは、AI軍事システムを最初に開発した国が、ライバル国に対して圧倒的な優位を手に入れられるために、いい加減なテストだけで、システムを一刻も早く導入せざるを得ないと考えるかもしれないことだ。AIシステムの導入を競い合うのではなく、その安全性の検証と研究に多国間で投資すべきだ。そうしない限り、「誰も勝者になれない世界」が創り出されることになる。(シャーリ)

AIは文明の救世主であるとともに、世界の破壊者でもある。特に、汎用人工知能(AGI)については、「独自に進化し、人間が管理できなくなるのではないか」と懸念され、特定型AIについても「デザイナー(である人間)がその意図を完全に伝えられず、壊滅的な結果が引き起こされるのではないか」と心配されている。イノベーションの進化ペースをどの程度「警戒」し、(機械のメカニズムに関する)説明の「正確さ」をどこまで求め、(個人データを利用することによる)パフォーマンス強化と「プライバシー」のバランスをどこに求めるか。社会がこれらのバランスをどうみなすかで、人間がAIとどのような関係を築いていくかが左右される。(クキエル )

非常にリアルな出来栄えで、偽物を見破ることが難しいレベルにデジタル加工された音声や動画を意味する「ディープフェイク」の登場によって、自分が言ったことも、したこともないことを、そのようにみせかけることができる。改ざんされた音声や動画が、本物と見分けがつかずに、十分な説得力をもっていれば、そして、それが社会的・政治的にそして国際関係に悪用されればどうなるだろうか。人々がプライベートなフィルターバブルに引きこもり、自分の考えに合うものだけを事実とみなす世界に転落しないようにしなければならない。(チェズニー、シトロン)

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