Focal Points

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2019.11.21 Thu

<12月号プレビュー>
経済停滞が引きずり出した民衆の怒り
―― 暴走するラテンアメリカ

ラテンアメリカ地域の多くが長期に及ぶ停滞のなかにある。賃金レベルが停滞し、生活コストが高騰するなか、格差や政治腐敗が作り出す問題に民衆が耐えるのはもはや難しくなっていた。街頭に繰り出している有権者たちは、数世紀ではなくとも、数十年に及んでいる問題に直ちに、抜本的な措置をとることを求めている。一時的対応策や税改革その他の定型的措置を超えた野心的な改革が必要になるが、現状で抜本的な対策がまとまるとは考えにくい。・・・(ナイーム、ウィンター)

チャベスとマドゥロが、かつては繁栄していたこの国で壊滅的政策をとった結果、かつて移住してきた外国人のほとんどは、その子孫たちとともにすでに国外へ流出している。問題は彼らが近隣諸国で必ずしも歓迎されていないことだ。他の難民たちと同様に、ベネズエラから逃れてきた人々が、命を守るために国を逃れてきた難民たちであることを忘れてはいけない。彼らを難民として認識すれば、そこにあるのがもはや無視できない現実であることが理解できるはずだ。(バハール)

インフレ率が年100万%に達し、人口の61%が極端に貧困な生活を強いられている。多くの多国籍企業が中南米本社を置き、南米で最高のインフラをもっていたこの国が、なぜかくも転落してしまったのか。元凶はチャビスモ(チャベス主義)だ。キューバに心酔するチャベスと後任のマドゥロによって、ベネズエラは、まるでキューバに占領されたかのような大きな影響を受けた。でたらめで破壊的な政策、エスカレートする権威主義、そして泥棒政治が重なり合い、破滅的な状況が生み出された。・・・(ナイーム)

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