Focal Points

Marcos Salgado / Shutterstock.com

2019.1.11 Fri

ベネズエラ経済の悪夢
―― 南米の優等生から破綻国家への道

歴史的にベネズエラは移民に開放的な国だった。1970年代半ばにベネズエラ経済がブームに沸き返ると、近隣諸国からの移民も押し寄せた。だが、皮肉にも、チャベスとマドゥロが、かつては繁栄していたこの国で壊滅的政策をとった結果、かつて移住してきた外国人のほとんどは、その子孫たちとともにすでに国外へ流出している。問題は彼らが近隣諸国で必ずしも歓迎されていないことだ。(バハール)

インフレ率が年100万%に達し、人口の61%が極端に貧困な生活を強いられている。市民の89%が家族に十分な食べ物を与えるお金がない。しかも、人口の約10%(260万人)はすでに近隣諸国に脱出している。これが、報道の自由と開放的な政治体制が保障され、選挙では対立する政党が激しく競い合い、定期的に平和的な政権交代が起きていた、かつて中南米の優等生だったベネズエラの現実だ。(ナイーム、トロ)

すでにベネズエラ市民の4分の3以上が貧困ライン以下の生活を余儀なくされている。商店の棚から商品が姿を消し、スーパーマーケットには、コメなどの基本物資を求めて、行列ができるようになった。輸出収益の95%以上を石油と天然ガスに依存するこの国にとって、エネルギー輸出が低下すると、生活必需品さえ十分に輸入できなくなる。(ビシディ)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top