Focal Points

2018.8.22 Wed

<6月号レビュー>
習近平革命の本質と衝撃、グローバル金融を蝕むタックスヘイブン、ほか

鄧小平が開始した「改革と開放プロセス」のペースを鈍化させるか覆し、新中国の原則をグローバルレベルで促進することに習は努めている。対外政策と国内政策の垣根を取り払い、その政治的モデルを輸出し、権威主義志向をもつ外国の指導者たちを支える一方で、国際法の基盤を損なう行動、他の諸国の主権を脅かす行動をとっている。いまや、中国は、非自由主義国家としては初めてリベラルな世界秩序におけるリーダーシップを模索している。(エコノミー)

タックスヘイブンは租税回避を容易にし、法の支配を弱め、組織犯罪の温床を作り出す。(富裕層の資金を増やし)格差をさらに拡大させることで、民衆の民主政治に対する信頼を損ない、ポピュリストの反動を助長する。生産性や起業家精神、そして真の意味での富の創造とはまったく関係のない理由から、中小企業よりも巨大な多国籍企業に有利な環境を提供し、市場経済を蝕んでいく。オフショアシステムで重要な役割を果たすグローバルな銀行には膨大な手数料が転がり込み、これによって「大きすぎてつぶせず、処罰できない」銀行が誕生する。さらに、貧困国の独裁者が国家の資産を略奪し、その資産をどこかに隠すことを助長する。(シャクソン)

オピオイドは慢性的な痛みを抑えるために長期的に処方されると、問題を引きおこす。依存リスクを高めるとともに、耐性が形成されるために、初期と同じ効果を求めて服用量が増える。オピオイドが非常に危険なのは、致死量と通常の摂取量の間に僅かな違いしかないことだ。2000―16年にオピオイドの過剰摂取によって死亡したアメリカ人の数は、第一次世界大戦と第二次世界大戦のアメリカ人犠牲者の合計を上回っている。(ハンフリーズ、コールキンス、ブラウン)

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