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2018.7.4 Wed

変化する貿易と経済地図
―― 保護主義とデジタルグローバル化

「アメリカファースト」の貿易政策が、製造業に新たな雇用をもたらすことも、貿易赤字を縮小することもあり得ない。むしろ、あらゆる国がダメージを受ける貿易戦争を世界レベルで引きおこす危険がある。保護貿易への傾斜は世界貿易機関(WTO)を中心とする、長年アメリカが支え、世界の平和と繁栄に貢献してきた自由貿易体制を傷つけることになる。トランプの貿易政策の最大のリスクは、一つ間違えれば、アメリカが第二次大戦以降推進してきた開放的な国際貿易体制に、取り返しのつかないダメージを与えてしまう恐れがあることだ。(アーウィン)

反グローバル化勢力が新たな障壁を築き、自由貿易協定に背を向けるなかでも、グローバル化は前進を続けている。ただ、違う道のりを歩んでいるだけだ。これまでのグローバル化は貿易を基盤とし、欧米が主導してきた。これに対して現在進行しているグローバル化は、デジタル技術にけん引され、中国をはじめとする新興国のリーダーシップが大きくなっている。このプロセスも破壊を伴う。特定の経済部門や雇用を消滅させる一方で、新たな勝者をもたらす。企業と政府は、新しいグローバル化に派生する「迫り来る破壊」に備える必要がある。(ルンド、タイソン)」

仮想通貨はそのほとんどが投機の対象、技術オタクのオモチャ、あるいは、マネーロンダリングの手段として使われてきた。しかし、(分散型ネットワークの)ブロックチェーンは違う。すでに一部の企業や団体は、契約を電子化したり、金融取引で中間業者をスキップしたり、台帳を監査しやすくしたりするためにブロックチェーンを使用している。ブロックチェーンが広く使われるようになれば、グローバル経済の取引に派生する摩擦(や障害)が少なくなる。特に輸出入業者は、その多くが決済ツールの不足に悩んでおり、ブロックチェーンでこれを代替すれば大きな恩恵を確保できるだろう。(リャオ)

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