Focal Points

Claudine Van Massenhove / Shutterstock.com

2018.5.1 Tue

<5月号プレビュー>
中国の政治介入に揺れるオーストラリア
―― 中国かアメリカか

オーストラリアの経験が特有なのはキャンベラが北京の脅威だけでなく、中国からの経済的報復を警戒する国内のビジネスリーダーたちの圧力をどのように押し返しているかにある。キャンベラはリスクを管理し、ダメージを特定する一方で、全般的なエンゲージメントを維持するという(問題と恩恵を)区別する対応をみせている。リスクとダメージを管理する一方で、相手にエンゲージし続けるためのバランスをとるのは容易ではない。この側面でのオーストラリアの努力を、いずれ同じような環境に遭遇するであろう他の民主国家の指導者たちは注意深く見守る必要があるだろう。(ガーナー)

台湾旅行法が成立し、トランプ政権の高官の入れ替えが続いている以上、いずれトランプが、中国との軍事衝突を引き起こしかねないやり方で台湾カードを切る可能性は現に存在する。
トランプがアメリカと台湾の関係を大幅に格上げすれば、この動きは台湾では大いに歓迎されるだろう。しかし、蔡はそのような変化を受け入れる誘惑に耐えた方が賢明だ。誘惑に負ければ、台湾は「ワシントンの中国対抗策における人質(手駒)」にされてしまうことを認識すべきだろう。(ダニエル・リンチ)

現在のトレンドが続けば、そう遠くない将来に、中国はアメリカに代わって、東アジアの経済・軍事・政治を支配する覇権国になるだろう。そして、地域覇権国は近隣諸国の内政にかなり干渉することを歴史は教えている。中国に対抗できるポテンシャルをもつ唯一の国・日本は、特に重要な選択に直面している。日本人は軍備増強には懐疑的で、むしろ、経済の停滞と高齢社会のコストを懸念しており、引き続き、銃よりもパンを優先する決断を下すかもしれない。だが実際にそうした選択をする前に、中国が支配するアジアにおける自分たちの生活がどのようなものになるかについて日本人はよく考えるべきだろう。(リンド)

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