Focal Points

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2018.4.09 Mon

【4月号プレビュー】
中東アップデート
―― 何が内戦を長期化させているのか 、ほか

冷戦終結から9・11までは、大半の内戦が交渉によって終結したが、その後、再び国際環境が変化し、内戦の規範も変化した。テロリストとの交渉は選択肢とされず、テロ組織の粉砕が目標とされ、欧米諸国も民主化よりも安定を重視するようになった。紛争当事国政府は、全面的勝利を目指す戦略を正当化し、外部パワーからの支援を確保するために、反政府勢力にテロリストの烙印を押し、しかも外部パワーがそれぞれ対立する勢力を支援するようになった。これが、内戦が長期化している大きな要因である。シリア内戦はこのような現在の内戦のトレンドを最も顕著に表す一例である。(ハワード 、スターク )

イスラム国勢力の敗北によってレバントの争点が変化していくなか、イスラエルとヒズボラは複雑さと危険度を増した新環境に直面している。レバントにおけるパワーバランスが変化し、対立の争点が明確になってきている。さらに、偶発的エスカレーションリスクや双方の長期的な戦略目標を考えると、イスラエルとヒズボラ間でいずれ戦争が起きるのは避けられないだろう。いまや問われているのは紛争が差し迫っているかどうかではなく、いつどのようにしてそれが起き、どこで紛争が戦われるかだ。しかも、これまでとは違って、戦域はレバノン南部だけでなく、ベイルートとシリアへ拡大していくだろう。(カーリン )

シリア内戦に介入している外部パワーは、この内戦をゼロサム・ゲームとみなし、戦略的な頑迷さを崩さない理由を敵対勢力の行動のせいだと相手に押しつけ、シリア人を利用して自分たちの国益のために戦わせ、その結果シリア人が命を落としている。トルコのアフリンに対する攻撃は、アメリカを中心とした有志連合の緩やかな連帯に潜む亀裂を白日の下に晒した。しかしアメリカも、シリアの現実に真剣に向き合って活動していないし、内戦を終わらせるには不可欠の譲歩を真剣に検討していない。本気で流れを変えない限り、シリア内戦は今後も続き、さらに多くの人の命が奪われることになる。(ステイン )

2018年4月号レビュー

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