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2018.12.6 Thu

長期化する金融危機の政治的余波
―― 極右政党の勢いが止まらない理由

なぜ金融危機は大きな政治的混乱を伴うのか。それは、危機に人が介在しているからだ。民衆は、危機を回避できなかったエリートたちを糾弾する。既存の政治システムへの信頼が損なわれ、極右のポピュリストが台頭する。もっとも、危機から5年もすれば、議会における政党の乱立と分裂現象は影を潜め、極右勢力は勢いを失う。だが2008年の金融危機は違う。・・・(フンケほか)

左派の知識人は、アメリカの黄金期は、1930年代のニューディール改革以降、1960年代まで続いたとみている。しかし、ニューディール連合の経済的盟約は消滅している。「野放しの資本主義」をどうすれば制御できるのか。グローバル化と社会がともに進化していけるようにするには、どのような政治的連合と盟約を新たに構築すればよいのか。(バーガー)

アメリカでは、2008年の金融危機を引き起こした政府の無謀さと民間の犯罪的行動ばかりが強調され、ヨーロッパの指導者たちは「すべてをアメリカのせい」にしている。実際には、世界的な銀行の取り付け騒ぎを防ぐために流動性を供給した米連邦準備制度の即断がなければ、金融危機はアメリカとヨーロッパの経済をいとも簡単に崩壊に追い込んでいたはずだ。(トゥーズ)

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