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2017.8.8 Tue

日本のアジェンダ
―― 大学教育、少子高齢化、シルバー民主主義

日本企業の採用担当者からみれば、大学は人材を供給してくれる存在にすぎない。だから学生は勉強しようという気にならないし、教員は教えようという気にならない。その結果、大学は学生にとって「レジャーランド」になっている。だが、大学3年になると、恐ろしい就職活動が始まる。日本の教育は、就職活動を軸に構成されていると言ってもいい。だが、世界における日本の役割を擁護し、国内経済の躍動性を高めるうえでも、質の高い教育が不可欠だ。日本の大学は学生たちのクリティカル・シンキング、イノベーション、グローバル志向をもっと育んでいく必要がある。(スチュワート)

2013年の段階で、日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は25%。この比率が2060年には40%に達すると予測されている。だが、現状は未来を捉え直すチャンスでもある。まず、引退年齢を引き上げて貴重な経験とスキルをもつ人材を現役労働力に引き留めることが不可欠だ。一方で、テクノロジーを駆使して生産性の向上を図る必要がある。そう試みれば、日本は、高齢化が進む他の諸国が踏襲できるロードマップを描けるかもしれない。(ウォーツゼル、チュイ、デヴォー)

日本社会は急速に高齢化している。そして高齢者たちは、政治家が現行の社会保障に手をつけるのを認めない。だが、高齢社会に派生する問題を先送りすれば、経済コストは大きくなる。しかし、高齢者集団にアピールすれば、政治家は支持基盤を手に入れることができる。こうして、「高齢者に優しい政策」が最優先とされ、これが若者に対する重荷をさらに大きくしている。これが日本の現実だ。世代間の不均衡問題に目を向け、若者の意見を政治に反映させる必要がある。そうしない限り、日本の経済未来は今後も暗いままだろう。(ハーニー)

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