Focal Points

Michael Candelori/shutterstock.com

2017.8.15 Tue

アメリカ政治の分裂と民主体制の危機
――ドナルド・トランプと白人貧困層

トランプのアメリカがファシズムに陥っていくと考えるのは行き過ぎだが、彼が大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。・・・政党だけでなく、アメリカの社会、そしてメディアさえもが分裂している。いまや民主党員と共和党員は全く異なるソースのニュースを利用し、その結果、有権者はフェイクニュースを真に受け、政党のスポークスパーソンの言葉をより信じるようになった。現在の環境では、仮に深刻な権力乱用が暴かれても、それを深刻に受け止めるのは民主党支持者だけで、トランプの支持者たちはこれを党派的攻撃として相手にしないだろう。(ミッキー他)

南部と中西部の経済が衰退して市民生活の空洞化が進んでいるのに、政治的関心がこの問題に向けられなかったために、これらの地域の「成長から取り残された」多くの人々がドラッグで憂さを晴らすようになり、なかには白人ナショナリズムに傾倒する者もいた。トランプはまさにこの空白に切り込み、支持を集めた。民主党か共和党のどちらか(または両方)が、貧しい白人労働者階級が直面する問題に対処する方法を見つけるまで、トランプ現象は続くだろう。(カーウィー)

いまや、そこにあるのは二つのアメリカだ。社会の頂点にいる人と底辺にいる人の間に接点がまるでない。通う学校も違えば、交流もなく、互いに相手のことをほとんど知らない。社会階層による文化の違いが、非常に大きな問題を作り出している。これほど多くのアメリカ人が惨めな思いをしている最大の原因はここにある。この状況で問われているのは、貧困層の人々が、人間としての尊厳を回復していくことをいかに助けるかだ。(ブルックス)

2017年8月号

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