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2017.6.13 Tue

トランプ時代の貿易政策
―― 保護主義の連鎖と自由貿易の危機

「アメリカファースト」の貿易政策が、製造業に新たな雇用をもたらすことも、貿易赤字を縮小することもあり得ない。トランプの貿易政策の最大のリスクは、WTO(世界貿易機関)を含む、アメリカが第二次大戦以降推進してきたオープンな国際貿易体制に、取り返しのつかないダメージを与えてしまう恐れがあることだ。(アーウィン)

日米間の二国間貿易協定は有益だが、これだけでは、アジア全域の自由貿易を保証することにはならない。地域的自由貿易を実現するには、中国、インド、インドネシアなど、他の主要なアジアの経済大国が市場開放へのコミットメントを示すことが不可欠だからだ。当然、アジアにおいてルールに基づく経済秩序を強化する上でもっとも有望なのは、東アジア地域包括経済連携(RCEP)構想だろう。(アムストロング)

いまや中国を中心とする貿易枠組みが、欧米の貿易枠組みに取って代わっていくとみなされているというのに、アメリカ人は、貿易のことを、国内の雇用保障、民主的な統治、そして世界の労働者の権利、公衆衛生や環境の保全を脅かす脅威と考えている。経済安全保障と国家安全保障が不可分の形で結びついているというコンセンサスを再構築する必要があるし、安全保障面からも貿易を促進する必要があるという議論を、現在の懸念に配慮したものへと刷新する必要がある。(ハールバート)

2017年6月号

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