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2017.11.14 Tue

リベラルな民主主義の奇妙な勝利そして停滞
―― スターリンとヒトラー、そして歴史の未来

「自分とソビエトという国は、あらゆる側面で脅威にさらされている」と彼は感じていた。1917年に権力を掌握した後も、レーニンとその部下たちは、クーデターの報復として、資本主義者に包囲網を築かれるのではないかという恐れに取り憑かれていた。この構造的なパラノイア思考が、まさにパラノイアだったスターリンによって煽られ、ますます大きくなっていく。・・・(コトキン)

なぜ20世紀に民主主義が生き残り、ファシズムも共産主義も淘汰されてしまったのか。1930年代から21世紀初頭にいたるまで、ヨーロッパ全域が民主化すると考えるのは現実離れしていたし、リベラルな民主主義が勝利を収める必然性はどこにもなかった。なぜ、社会に提示できるものをもち、圧倒的な力をもっていたマルクス主義がリベラルな民主主義に敗れ去ったのか。そしていまや、多くの人が(民主主義を支える経済制度である)資本主義が経済利益を広く社会に行き渡らせる永続的な流れをもっているかどうか、疑問に感じ始めている。・・・(アヴィネリ)

社会格差の増大に象徴される現在の厄介な経済、社会トレンズが今後も続くようであれば、現代のリベラルな民主社会の安定も、リベラルな民主主義の優位も損なわれていく。マルキストが共産主義ユートピアを実現できなかったのは、成熟した資本主義社会が、労働者階級ではなく、中産階級を作り出したからだ。しかし、技術的進化とグローバル化が中産階級の基盤をさらに蝕み、先進国社会の中産階級の規模が少数派を下回るレベルへと小さくなっていけば、民主主義の未来はどうなるだろうか。・・・(フクヤマ)

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