Focal Points

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2017.10.17 Tue

クルド人とイラク北部の未来
――ペシュメルガ、シーア派武装集団、スンニ派系住民

これまでイラク・クルディスタンはそれぞれにペシュメルガを擁する二つのクルド系政治勢力によって二分されてきたが、さまざまなクルド人武装組織はこれまでよりも統合度を高めているようだ。問題は今後、かつてのイスラム国勢力を支持したスンニ派系住民の扱いをどうするかだ。イスラム国勢力の支持者たちも受け入れるようなシステマティックで透明性のあるプロセスを実施できるかどうかが問われている。これが実現しなければ、暴力の連鎖はさらにエスカレートしていく。・・・(カンシャン、ファッベ)

第一次世界大戦後にオスマントルコが分割された結果、帝国内では大きな民族グループだったクルド人の居住地域はトルコ、イラン、フランス委任統治領シリア、そしてイラクの四つの国へと分散・分割された。その後も各国のクルド人、特にイラクのクルド人は自分たちの地域の分離独立という夢を追い続けた。2度に及んだ湾岸での戦争の結果、イラクのクルド人はイラク北部に事実上のクルド地域を確保し、自分たちの地域内に存在する石油と天然ガス資源という強いカードを手に入れた。(ヒルターマン)

これまでクルドの独立に曖昧な態度しか示してこなかった近隣諸国とアメリカはクルドの住民投票に向けたプロセスが進むにつれて、自国の立場を明らかにせざるを得なくなった。各国がこのように立場を明確にしたことで(少なくとも中期的には)クルド側は独立に代わる案を検討するか、あるいは実際の独立までの時間枠を見直すことになるかもしれない。明確に定義されたイラクの連邦構造の強化や国家連合という考えを打ち出せるかどうかに、今後は左右される。(ダレイ)

2017年10月

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