Focal Points

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2017.1.31 Tue

原油供給とアメリカの軍事戦略
―― ペルシャ湾岸からの米軍撤退を(2月号プレビュー)

湾岸石油の供給混乱を阻止するために必要なコストは、いまや軍事関与によって得られる恩恵を上回りつつある。冷戦期には国家安全保障と経済的繁栄の二つがペルシャ湾岸に関与する目的だったが、いまや重視されているのは経済的繁栄だけだ。しかもほとんどのアメリカ人が経済利益のために米軍をリスクにさらすことに否定的になり、ペルシャ湾岸への軍事介入の敷居は高くなっている。むしろ、湾岸石油の大規模な供給混乱の衝撃を緩和する非軍事的クッションに投資して、軍事コミットメントをやめるための選択肢を作り出すべきではないか。(グレーザー、ケラニック)

現在のサウジの経済システムが持続不可能であることは、サウジ政府内で堅固なコンセンサスがある。・・・サウジが先に進むには大変革が必要だし、そうした変革は必然的にある程度の不安定化を伴う。人々が今後に不安を感じているのは無理もないが、本気で変革を試みる以外に道はない。石油経済からの離脱と経済の多様化に向けて経済を再建するだけでない。サルマンは、内に不安を募らせる大衆と批判派を抱え、イエメンでコストのかかる紛争を戦い、イランの地域的台頭に目配りし、ますます暴力的になっている近隣地域に対処しつつ、経済改革に取り組まなければならない。(サーブ)

シェール革命によって、エネルギー輸出に歳入の多くを依存するロシアと中東産油国は、エネルギー価格の低下によって苦しい財政状況に追い込まれ、政治的安定が揺るがされるかもしれない。一方、供給の拡大と多角化によって世界のエネルギー輸入国は大きな恩恵を手にする。日本や韓国のような東アジアの同盟諸国は、北米からより多くのエネルギー資源を直接輸入し、安定した供給を確保し、エネルギー安全保障を確立するだろう。アメリカの新たなエネルギー資源を、非友好的なエネルギー供給国によって同盟国やパートナーがいたぶられるのを阻止するために用いることもできる。今後、グローバルなエネルギーの流れは大きく変化し、経済関係だけでなく、地政学環境も変化していく。・・・(ブラックウィル)



2017年1月号から

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