Focal Points

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2016.11.16 Wed

エリートを拒絶した英米の有権者たち
――ブレグジットからトランプの勝利まで

キャメロンとクリントンは、これまでの経済政策が多くを犠牲にして一部の人に有利な状況を作りだしていることに対して満足のいく解決策を示せなかった。仮にクリントンが大統領に選ばれていても、大衆の不満が聞き入れられただろうか。そうはならなかったはずだ。大衆の懸念に軽く同意することはあっても、大統領になれば、この問題への対応を試みることは、ほとんど、あるいは全くなかっただろう。(マレー)

すでにギリシャ、ハンガリー、イタリア、ポーランド、スロバキア、スイスの6カ国でポピュリスト政党が最大の議席数を確保している。フィンランド、リトアニア、ノルウェーの3カ国では、ポピュリスト政党が政権の一翼を担っている。大規模な難民流入やユーロ危機などで社会治安や経済の安定が脅かされたために、ポピュリズムの急激な台頭が刺激された部分があるのは事実だろう。(ムッデ)

いまやヨーロッパ市民の多くは、EU(欧州連合)の拡大と進化、開放的な国境線、国家主権の段階的なEUへの移譲を求めてきた政治家たちに幻滅し、(超国家組織に対する)国民国家の優位を再確立したいという強い願いをもっている。ブレグジットを求めたイギリス市民の多くも、数多くの法律がイギリス議会ではなく、ブリュッセルで決められることに苛立っていた。昨今におけるドイツの影響力拡大を前に、ギリシャやイタリアなどの小国はすでにEUから遠ざかりつつある。(グリジェル)

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