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2016.06.06 Mon

冷戦後のロシア外交のルーツ
―― ソ連崩壊と敗戦をどう受けとめているか

クリミア編入とウクライナ危機は、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大だけでなく、冷戦終結以降、欧米の行動パターンが変化したことに対するロシアの答えでもあった。冷戦の終結とポスト冷戦世界に関する米ロの解釈の違いも、ロシアの行動を後押しした。(ルキャノフ)

欧米との緊密なつながりを求める一方で、「自国が軽く見られている」と反発し、協調路線から遠ざかろうとする。ロシアはこの二つの局面の間を揺れ動いている。さらにロシアの安全保障概念は、外から攻撃される不安から、対外的に拡大することを前提としている。この意味でモスクワは「ロシアが旧ソビエト地域で勢力圏を確立するのを欧米が認めること」を望んでいる。(コトキン)

問題は、クリミアへの介入と編入が、プーチンが管理可能な脅威をめぐってさえ過大な戦略リスクを引き受けるようになったことを象徴していることだ。ウクライナであれ、シリアであれ、プーチンは危機に大胆かつ衝動的に対応することで、ロシアと世界に新たな危機を作り出している。(トレイスマン)

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