いったいどこにいけば、安全な暮らしをおくれるのか」。増加の一途をたどる難民、国内避難民の悲痛な声にわれわれは耳を傾けなければならない。約60年前の「難民の地位に関する国連条約」では想定されていなかった強制的な国内移動を含む、さまざまな新しい人の移動のパターンが出現している。国際社会は、深刻な経済的・社会的危機、あるいは環境上の危機を逃れてきた人々が、逃れた先の国から母国へと再び強制送還されることのないように、人道原則に基づく法律・政策枠組みを確立し、もっとも弱い立場にある人々に対しては、一時的な保護と物質的支援を提供し、国際的な保護を必要とする人々には他国へと逃れる手段を与え、公正で合理的な亡命手続きに即して自らの主張を行うことを認めなければならない。難民化が伴う大規模な人の移動という問題に対処していくには、国際的な連帯と責任の分担の原則を重視するグローバル憲章を新たに作る必要がある。
