1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

環境とエネルギーに関する論文

石油と経済を考える

2008年12月号

スピーカー
デビッド・J・オライリー  シェブロン会長兼最高経営責任者
司会
リチャード・N・ハース  米外交問題評議会会長

「1バレルあたりの原油価格が50~60ドルに下がったと言っても、それでも5~6年前に比べれば3倍の価格だ。価格が低下しているのは、短期的に石油需要が低下していくと考えられているからだ。もちろん、現状にも対処していくが、経済が立ち直り、再び成長を遂げるようになれば、この2年間にみられたような水準に価格は戻っていくと思う。今はしばしの休息というところだが、この間に問題を是していくべきだ」
 「アメリカのオートメーカーも、もっとグローバル市場でライバルと競い合えるような体力を培う必要がある。何らかの救済策がとられ、自動車産業側の競争力強化へのコミットメントを引き出せれば、そうした救済策も意味があるかもしれない。だが、何かに資金を投入するのなら、その最終目的は経済を浮遊させることでなければならない」  (D・オライリー)

CFRインタビュー
金融危機を温暖化対策を
先送りする「口実」にするな

2008年11月号

ケビン・M・コンラッド パプアニューギニア環境・地球温暖化問題担当国連特使

 2012年に期限切れとなる京都合意の後継枠組みをめぐる話し合いが続けられるなか、「世界的な金融危機を前に温暖化対策交渉がないがしろにされるのではないか」という懸念が浮上している。
 「金融危機を地球温暖化への取り組みを先送りする口実にしてはならない」とケビン・コンラッド、パプアニューギニア環境・地球温暖化問題担当国連特使は警鐘を鳴らす。コンラッドは、2007年にバリで開かれた第13回気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で、アメリカ政府代表に対して「指導的役割を果たすつもりがないのなら、少なくとも邪魔しないでほしい。出て行ってほしい」と毅然と言い放ったことで知られる人物だ。
 「やるべきことをしない口実、間違った判断を正当化する理屈を探すのは非常に簡単だし、特に政治家はそうすることに長けている」と指摘するコンラッドは、実際には金融危機は「もっともコストのかからない温暖化対策の優先順位を引き上げ、実施する機会を提供している」とコメントし、むしろ困難な現実を前にしても、状況を前向きに捉えるべきだと主張する。「温暖化対策をめぐる不作為は大きなコストを伴うし」、すでにパプアニューギニアは海面上昇によって村の住民が移動せざるを得なくなるほど地球温暖化の悪影響を受けていると同氏は語った。聞き手は、トニー・ジョンソン(www.cfr.orgのスタッフ・ライター)。

原油価格がいくばくか低下したとはいえ、世界の石油需要は依然として旺盛で、ガソリン価格はいまも高いレベルで推移している。また、グルジア紛争が起きたこともあって、原油価格の高騰だけでなく、石油というきわめて重要な戦略資源の市場への供給が混乱するリスク、特に資源地域の政情不安が大きな供給リスクになるのではないかと懸念されている。たしかに、理屈上は供給ルートのどの地点においても流れが遮断される危険はあるが、供給が遮断されるリスクが高い地域が一部に集中しているのも事実だ。そうした地域がいわゆる供給ルートのチョークポイント(関所)として知られている。おそらく、シーレーンのチョークポイントとしてもっともよく知られているのがペルシャ湾のホルムズ海峡だ。2008年8月に勃発したロシアとグルジアの戦争によって、新たな資源地帯であるカスピ海周辺地域からの供給・搬出ルートも地政学的な余波を受けるのではないかという懸念が高まっている。カスピ海周辺地域に加えて、北西アフリカのニジェール・デルタ地帯、イラク、ベネズエラという三つの地域や国も、依然として地政学的余波を受けやすい資源地帯だ。世界の原油供給はすでに逼迫しており、ここでさらに供給の乱れが起きれば、不安定な原油価格を再度高騰させる危険がある。

地球温暖化をいかに封じ込めるか
 ――途上国を取り込んだ「キャップ・アンド・インベスト」枠組みの導入を

2008年10月号

カーター・F・ベールズ ウィックス・グループ名誉マネージング・パートナー
リチャード・D・デューク 天然資源保護協議会・市場改革センター・ディレクター

ワシントンは、温室効果ガス排出権取引システムを導入し、そこから得た歳入をエネルギー使用効率やクリーンな電力生産領域での技術革新に利用していくことを目指す「キャップ・アンド・インベスト」戦略を実施すべきだ。キャップ・アンド・インベスト戦略が導入されれば、アメリカはごくわずかな経済コストでクリーンエネルギー経済へとシフトできるようになる。事実、コンサルティング企業のマッキンゼーの最近の報告は、政府がエネルギー使用効率改善と技術革新による可能性を最大限に促進すれば、2030年までにアメリカの温室効果ガス排出量を30%近く削減するのに必要なコストをほぼゼロへと圧縮できると指摘している。

原子力発電へのシフトは 本当に実現するのか

2008年9月号

Toni Johnson (Staff Writer, www.cfr.org)

スリーマイルやチェルノブイリでの原発事故以降、原子力産業はこの数十年にわたって衰退してきた。だが、ここにきて流れは大きく変わり、世界各地で原子炉の建設が進められている。流れが変化した要因は数多く考えられる。例えば、途上国でのエネルギー需要の高まりや地球温暖化対策の一つとして原子力発電が脚光を浴びていることだ。だが、世界の他の地域とは違って、アメリカでの原子力発電への再評価はそれほど進んでいない。議会が原子力発電容認の立場をとるようになったにもかかわらず、原子力産業の反応は鈍い。アメリカに限らず、世界の原子力産業が人材不足から高い建設コストまでの数多くのハードルに直面しているためだ。

21世紀の資源争奪戦

2008年6月号

スピーカー
ポール・J・カーン
コーエングループ・シニアカウンセラー
レオン・S・ファース
ジョージ・ワシントン大学教授
デビッド・G・ビクター
スタンフォード大学教授

司会
ポール・スタレス
米外交問題評議会紛争予防センター所長

「イリノイ大学の研究によれば、現在12億人が飲料水不足に苦しみ、26億人が不衛生な環境で生活しており、しかも、状況はますます悪化している。……地球が水で覆われているにもかかわらず、地球の飲料水資源は不足している」(P・カーン)

「原材料や資源確保への不安が日本を戦争の道へと駆り立てた。現在においても、重要な資源へのアクセスをめぐる不安が、戦争を誘発する危険はある」(L・ファース)

「資源争奪をめぐる紛争のリスクを心配するのであれば、人間の行動を規定する枠組みである統治制度を是正する必要がある。ダルフール危機を資源の側面からは解決できない。暴力を抑えるようにこの国の統治体制を見直すことが不可欠だ」(D・ビクター)

CFRインタビュー
環境対策技術開発に民間資金を向かわせるには

2008年5月号

イボ・デブア 国連気候変動枠組み条約事務局長

今後25年間にわたって、予測されているペースで世界経済が成長を続けるとすれば、われわれは、エネルギーインフラに20兆ドルを投資しているはずだ。だが、地球温暖化対策に配慮せずに20兆ドルをエネルギー部門に投資するとすれば、温室効果ガスの排出量は50%上昇する。
 エネルギー部門への20兆ドルの投資への補助金を出すよりも、民間市場での環境技術開発を刺激するために、各国政府が協調すべきだと思う。
 民間の資金の流れを、地球温暖化対策からみて適切な方向へと向かわせること、つまり、もっと大きな民間の資金を温暖化対策に向かわせるにはどうすればよいかを考えていかなければならない。

Page Top