グローバルな課題や脅威に対処していくには、オーストラリア、日本、ニュージーランドなどの民主国家をNATOに参加させることで、NATOを大西洋同盟の枠を超えたグローバルな存在とする必要がある。冷戦が終結し、世界がグローバルな課題に直面している以上、NATOのメンバーシップを、大西洋同盟という地理的制約にとらわれず、民主主義の政治経済原則という価値を共有する国に広げていくべきだ。考えるべきは、どのようにすれば、世界有数の国際的軍事機構を、大西洋共同体の利益だけではなく、世界の安定を求める民主国家で構成されるグローバルな共同体の利益を促進できるような存在へと変え、時代の要請に対応できるように変化させられるかだ。
