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危険な10年をいかに乗り切るか
―― 地政学、グローバルな課題、アメリカの弱体化

リチャード・ハース 米外交問題評議会会長

The Dangerous Decade: A Foreign Policy for a World in Crisis

Richard Haass アメリカの外交官、政策分析者。米外交問題評議会会長で、近くThe Bill of Obligationsを出版予定。大統領特別補佐官、国務省政策企画部長、ブルッキングス研究所副会長などを経て現職。

2022年11月号掲載論文

地政学的競争の激化が、温暖化に象徴されるグローバルな課題をめぐる国際協調をさらに難しくし、一方で国際環境の悪化が地政学的緊張をさらに高めている。しかも、アメリカはさらに弱体化し、世界への関心を失っている。グローバルな課題と世界の(細々とした)対応間の恐ろしいほどのギャップ、ヨーロッパとインド太平洋における大国間戦争リスクの上昇、イランが中東を不安定化させるリスクの拡大、これらが渾然一体となって、第二次世界大戦以降、もっとも危険な瞬間が作り出されつつある。現在と同様に困難で危険な10年、つまり、伝統的な地政学リスクと増大する一方のグローバルな課題が共存する時代を乗り切っていくには、何が必要なのか。

  • 地政学とグローバルな課題の衝突
  • 中ロ連携と無秩序化する世界
  • 気候変動と核問題
  • 国内問題の対外的余波
  • 伝統的秩序と新しい課題
  • 未来を構築する

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