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経済制裁から経済戦争へ
―― 対ロ制裁の余波に世界は持ち堪えられるか

ニコラス・モルダー コーネル大学アシスタント・プロフェッサー(歴史学)

The Toll of Economic War: How Sanction on Russia Will Upend the Global Order

Nicholas Mulder コーネル大学歴史学助教授。著書に『The Economic Weapon: The Rise of Sanctions as a Tool of Modern War(経済兵器:現代戦争の道具としての制裁の台頭)』。

2022年5月号掲載論文

歴史的にみても、侵略者が国際秩序を破壊しようとするときは毅然と対決しなければならないが、一方で、非常に大きな経済国家に対するペナルティは、制裁の余波を被る諸国への支援策なしには遂行は難しくなっていく。家庭の物質的な豊かさが維持されない限り、制裁に対する政治的支持は時の経過とともに崩壊していくからだ。経済制裁の目的が国内経済の混乱を最小限に抑えて、政治的反発のリスクを管理しつつ、ロシアに最大の圧力をかけることなら、現在の圧力レベルが政治的に実現可能な最大限の圧力なのかもしれない。だが、欧米とロシアの経済戦争がこの強度でさらに長期化するようなら、世界は経済制裁が誘発する不況に陥っていく危険がある。コストがかからず、リスクもなく、予測可能な制裁の時代はすでに終わっている。

  • 初めての経験
  • 衝撃と恐れ
  • 歴史の教訓
  • 制裁の余波を管理する
  • 新介入論者

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