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膨大な中国の債務問題
―― 恒大集団は氷山の一角にすぎない

ベン・ステイル  外交問題評議会 国際経済担当ディレクター、 ベンジャミン・デラ・ロッカ   外交問題評議会アナリスト

Red China Why Beijing Can’t Shake Its Risky Debt Habit

Benn Steil 外交問題評議会国際経済担当ディレクター。  Benjyamin Della Rocca 外交問題評議会アナリスト。

2021年12月号掲載論文

本来、住宅価格と企業への貸し出しは連動している。景気が良ければ、銀行は企業への融資を増やし、所得が増えた消費者は不動産を購入し、このサイクルのなかで不動産価格は上昇していく。景気が冷え込むと、所得も減り、デフォルト(債務不履行)が増大し、これらのトレンドは逆転する。実際、アメリカでは何十年にもわたってこのような状況が続いてきた。しかし、中国では事情がまったく違う。2012年に習近平が権力を掌握して以降、中国の住宅価格と銀行の企業向け融資は連動していない。一方が上がればもう一方は下がり、逆もまた真だ。これは習近平期の中国における融資総額が、結局、政府のGDP成長率目標(今年は6%)に左右されるためだ。成長率が目標を下回りそうになると、貸し出しと融資を増やして数字が底上げされる。現状で2022年10月に3期目の政権を担うことを習近平がもっとも重視している以上、成長を実現することが最優先とされ、このやり方が続けられるだろう。


  • 「レッド」チャイナ
  • GDPと融資と政治

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