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米中対立とアジアの軍事化
―― 軍事ファースト路線の弊害

ヴァン・ジャクソン  在カナダ・アジア太平洋財団特別フェロー

America Is Turning Asia Into Power Keg The Peril of a Military-First Approach

Van Jackson 在カナダ・アジア太平洋財団特別研究員で、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントン校のシニアレクチャラー(国際関係論)、戦略研究センターフェロー(防衛・戦略担当)。フォーリン・アフェアーズでは、「インド太平洋戦略の幻想―― 東アジアを重視すべき理由」(2021年4月号)などを発表している。

2021年12月号掲載論文

アジアへ米軍部隊を増派して軍備を強化し、同盟諸国に軍備増強を促すことで、ワシントンは地域的緊張を高め、回避可能な紛争リスクを高めてしまっている。しかも、このプロセスゆえに格差や気候変動その他の地域的不安定化要因に非軍事的に対処していく機会を生かすのを実質的に放棄してしまっている。過剰な軍事的アプローチは、戦争や軍拡競争のリスクを高めるだけでなく、アジアの安定と繁栄の見通しを遠ざけてしまう。この地域のゲームでもっとも重要なのは陸軍や海軍ではない。それは経済開発であり、貿易や投資だ。ギアを入れ替えない限り、バイデン政権はアジアにおける次の悲劇の主犯とみなされることになる。

  • アジアの軍事競争
  • 外交よりも防衛
  • 軍国主義のリスク
  • 進行中の悲劇

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