Frame China / Shutterstock.com

中国を引き裂く大潮流
―― そこにある二つの中国

エリザベス・エコノミー   外交問題評議会  シニアフェロー(中国研究担当)

China’s Inconvenient Truth Official Triumphalism Conceals Societal Fragmentation

Elizabeth Economy 外交問題評議会シニアフェロー(中国研究担当)。スタンフォード大学フーバー研究所シニアフェロー。フォーリン・アフェアーズでは、「習近平とコロナウイルス―― トップダウン型危機管理の弊害」(2020年5月号)などを発表している。

2021年7月号掲載論文

中国政府の勝利主義的レトリックの背後には、不都合な真実が隠されている。それは、社会がやっかいな形で複雑に分裂しつつあることだ。ジェンダーと民族を基盤とする差別が横行し、オンライン空間での憎悪に満ちた、ナショナリスティックな発言がこれに追い打ちをかけている。起業家や研究者を含む「クリエーティブな社会階級」は官僚と衝突している。ジャック・マーのように、政府の介入を公然と批判し、厳格な処分対象とされた者もいる。都市部と農村部の深刻な格差もなくなっていない。これらの分断ゆえに、重要な社会集団が中国の思想・政治的生活に完全に参加できずにいる。この状況が放置されれば、習近平が言う「中華民族の偉大なる復興」は夢のままで終わる。

  • 中国社会の分裂
  • 被害者を非難する
  • クリエーティブ階級に対する抑圧
  • 二つの中国
  • 二重構造のコスト

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