Stratos Brilakis / Shutterstock.com

カルト集団とポスト真実の政治
―― アメリカの政治的衰退

フランシス・フクヤマ  スタンフォード大学 「民主主義・開発・法の支配」センター所長

Rotten to the Core?
How America’s Political Decay Accelerated During the Trump Era

Francis Fukuyama アメリカの政治学者、思想家。現在は、スタンフォード大学民主主義・開発・法の支配センター所長。『歴史の終わり』の著者。最近の著書にPolitical Order and Political Decay(政治秩序と政治的衰退)がある。フォーリン・アフェアーズでは、「パンデミックと政治―― 何が対応と結果を分けたのか」(2020年7月号)、「ビッグテックが民主主義を脅かす―― 情報の独占と操作を阻止するには」(2021年2月号)などを発表している。

2021年3月号掲載論文

ソーシャルメディアは民主的議論の前提となる共通の事実認識さえ消滅させてしまった。実際、共和党員の77%が2020年の米大統領選挙で大きな不正があったと考え、4分の1近くが、Qアノンが主張する異様な陰謀論を信じている。しかも、民主党、共和党の政策の違いをめぐる対立が、文化的アイデンティティをめぐる分断線として硬直化している。そして、共和党はもはやアイデアや政策に基づく政党ではなく、カルト集団のような存在と化してしまった。大きな不確実性は、今後、共和党内で何が起きるかにある。共和党の主流派が権限を再確立するのか、それともトランプが基盤を維持するのか。

  • ポスト真実と文化対立
  • 不可解な違い
  • 政党からカルト集団へ
  • 党利党略

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2021 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top