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メコンと東南アジアを脅かす脅威
―― ダムではなく、再生可能エネルギーの整備を

サム・ギアル  チャタムハウス アソシエートフェロー

Troubles on the Mekong How Climate Change, Dams, and Geopolitics Threaten a River’s Future

Sam Geall イギリスのシンクタンク、チャタムハウス(王立国際問題研究所)のアソシエートフェロー。専門は環境政策、中国の統治など。チャイナダイアログのエグゼクティブディレクターも兼務。

2019年12月号掲載論文

メコン川に流水の多くを供給しているヒマラヤの氷河は21世紀末までに温暖化によって消滅するかもしれない。上流の中国は下流のラオスとカンボジアにダム建設を働きかけ、いまやメコン川は中国がその利益とパワーを展開する主要な舞台と化している。しかも、流域諸国政府はメコン川の環境問題にほとんど配慮していない。要するに、流域コミュニティは気候変動の弊害、中国の地政学的野心、政府の環境問題への無関心という逆風にさらされている。流域のよりよい未来はダムによる水力発電ではなく、再生可能エネルギーを整備することで切り開けるはずだ。国内でソーラーパワー産業を育成し、貧困を緩和するという目的から再生可能エネルギーを整備してきた実績持つ中国は、ダム開発ではなく、メコン流域における脱炭素の未来を切り開くための投資を考えるべきではないか。

  • 気候変動と中国に翻弄されるメコン
  • 圧倒的な中国の影響力
  • 環境に配慮しない政府
  • 開発と環境保護のバランス

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