Ali Mansuri/Creative commons

サウジの歴史的選択
―― 王国は社会・経済改革という嵐に耐えられるか

ニコラス・クローリー フロントライン・アドバイザリー創設者
ルーク・ベンシー セキュリティ・マネジメント・インターナショナル マネジング・ディレクター

Kingdom Coming ――　Saudi Arabia's Economic Road Ahead

Nicholas Krohley フロントライン・アドバイザリー創設者。「マフディ軍の死：イラク最強の民兵組織の台頭、崩壊、そして復活」の著者
Luke Bencie セキュリティ・マネジメント・インターナショナル社マネジング・ディレクター

2016年12月号掲載論文

リヤドを経済・社会変革に駆り立てているのは、原油安ではなく、むしろ、ユースバルジに象徴される人口増大問題だ。たとえ原油価格が上昇しても、今後の人口増を考慮すれば、家計収入の80％が公的部門の給与とさまざまな補助金に依存している現在の経済モデルは維持できなくなる。だからこそ、リヤドは行動計画「ビジョン２０３０」を実行しようと試みている。これは、改革が引き起こす政治・経済・社会的大混乱のなかで、かつてない規模の若者たちが成人していくことを意味する。経済改革の設計者（政府）と社会的安定の擁護者（治安当局）は、緊密に連携しながら、この国の文化的アイデンティティの中核部分を慎重に再調整していかなければならない。激しい抵抗に直面するのは避けられないが、改革に失敗すれば、サウジは、現在のいかなる脅威よりもはるかに危険な、国内の全面的な不安定化という事態に直面することになる。

  • ユースバルジと経済・社会改革
  • 外からの脅威
  • 待ち受ける混乱
  • 歴史的な選択の帰結は

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2016年12月号に掲載

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