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日本の「長時間労働」と生産性

エドアルド・カンパネッラ ウニクレディト銀行 ユーロ圏エコノミスト

Overworked in Japan ―― Why It's an Epidemic

Edoardo Campanella ウニクレディト銀行ユーロ圏エコノミスト。フィナンシャル・タイムズとマッキンゼーが選ぶ2015年のブラッケン・バウアー賞の最終選考作品の著者。

2016年12月(Web公開論文)掲載論文

経済協力開発機構(OECD)によると、週の労働時間が50時間以上に達する日本の勤労者は全体の13%。イタリア人やドイツ人でこれほど長時間働いているのは労働力人口の約4%にすぎない。こうしたワーカホリック(仕事中毒)ぶりが、日本人の健康と生産性を損なっている。過労死の問題だけではない。経営側は、長時間労働が生産性を低下させるリスクを伴うことを認識すべきだ。少ない人材をできるだけ働かせようとするよりも、社員がもっと効率的に働けるようにし、仕事へのやる気の持たせ方を変化させるべきだ。「社員がもっと効果的に働けるようにし、与えられた目標を、できるだけ少ない残業時間、あるいは残業なしで達成した人に報い、部下に残業させた管理職にはペナルティを課す」。そうした慣習が当たり前になるようにすべきだろう。ワークスタイルを見直せば、女性の労働参加を促し、出生率も上昇し労働力も増大する。この方が金融緩和を何度も繰り返す以上に、国内総生産(GDP)を押し上げる効果は高いはずだ。

  • 残業と過労死
  • 長時間労働と生産性
  • 変化した心理枠組み

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