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新グレートゲーム
―― インド太平洋をめぐる中印のせめぎ合い

ラニ・D・ミューレン ウィリアム&メリーカレッジ準教授(政治学)、コディ・ポプリン ブルッキング研究所 リサーチアソシエーツ

The New Great Game ―― A Battle or Access and Influence in the Indo-pacific

Rani D. Mullen ウィリアム&メリーカレッジ準教授(政治学)。インド政策研究センター(CPR)のインド開発研究プログラムディレクター。専門は、南アジアの民主化と経済開発。
Cody Poplin ブルッキング研究所リサーチアソシエーツ。インド政策研究センター(CPR)の研究員、同インド開発研究プログラムのリサーチアソシエーツを務めた。

2015年11月号掲載論文

中国が「マラッカ・ジレンマ」への対策を取り始めたことがインド太平洋の海洋秩序を揺り動かしている。中国のインド太平洋へのアクセスはマラッカ海峡を経由するルートに限られ、そこにたどり着く途上でも近隣諸国との領有権論争をあちこちに抱えた南シナ海を航行しなければならない。これがマラッカ・ジレンマだ。中国が南シナ海に滑走路付きの人工島を造成したのも、国連海洋法条約が認める以上のこれまでよりも広範囲の排他的経済水域を宣言したのも、そして南アジア諸国との関係を強化しているのも、このジレンマを克服しようとしたからだ。一方、中国がパキスタンとの同盟関係を軸に陸海の双方から対インド包囲網を築くつもりではないかと懸念するインドも、アクトイースト戦略を通じて、インド洋沿岸諸国との関係を拡大し、中国がインド洋での永続的なプレゼンスを確立するのを阻止しようと試みている。いまや、インド太平洋では新しいグレートゲームが展開されている。

  • 南シナ海とマラッカ・ジレンマ
  • 真珠の首飾り戦略
  • バングラデシュとミャンマー
  • 中国とパキスタン
  • インドとイランの関係強化
  • スリランカにおける攻防
  • 中印のグレートゲーム
  • アメリカの役割

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