
「私はサウジアラビアの抑圧体制を、石油資源を持たないスウェーデン同様に扱いたいと考えており、そのためには、エネルギー自立路線を確立する必要がある」
「イラク駐留米軍の最高司令官であるペトレイアス将軍が提言するタイミングよりも早い段階で、大統領としての私がイラクからの撤退を開始することは決してない」
「かなりの規模の戦力を残して治安の維持と拡大・強化に努めなければ、努力して手に入れた成果を失うことになりかねない」
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「私はサウジアラビアの抑圧体制を、石油資源を持たないスウェーデン同様に扱いたいと考えており、そのためには、エネルギー自立路線を確立する必要がある」
「イラク駐留米軍の最高司令官であるペトレイアス将軍が提言するタイミングよりも早い段階で、大統領としての私がイラクからの撤退を開始することは決してない」
「かなりの規模の戦力を残して治安の維持と拡大・強化に努めなければ、努力して手に入れた成果を失うことになりかねない」
2008年1月号
「6者協議での合意の一環として、寧辺(ヨンビョン)の原子炉と使用済み核燃料再処理施設の双方を無力化することになっているが、北朝鮮はその無力化のペースをゆっくりとしたものにしている。平壌は、約束されている重油の提供がゆっくりとしか進んでいないことをその理由に挙げている。なぜ重油の提供がスムーズに行われていないか。それは、もう一つの合意事項である核開発計画の全貌を2007年12月31日にまでに申告するという約束を北朝鮮側が果たしていないからだ」。合意の進展が膠着状態に陥っている背景をこう分析する核拡散問題の専門家ゲリー・セイモアは、「北朝鮮は6者協議の核解体プロセスを塩漬けにして、アメリカに次期大統領が誕生するのを待って、その後、交渉を再開したいと言い出すつもりかもしれない」と指摘する。「1年後も北朝鮮の核(問題)は現状のままであることが、ますますはっきりしてきた」と述べ、北朝鮮への新たな戦略の採用を促したジェイ・レフコウイッツ米特使の発言についても、「北朝鮮は、少なくとも、2008年の間は核兵器の放棄に応じるつもりはない、とブッシュ政権の高官の多くが考えていることを、彼が公の場で述べたにすぎない」と語った。「北朝鮮はまともな申告を提出しそうにはなく、プロセスは膠着状態に陥ったままだろうし、そうだとすれば、対応はアメリカの次期政権に委ねられることになる」と。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
2008年1月号
ドル体制の崩壊やクラッシュシナリオが現実と化す可能性は低い。現在のシステムが進化し、そこでもドルは重要な役割を果たすが、世界規模でのドル建て資産の規模は縮小していく。これが未来像だろう。(R・クラリダ)
現在われわれが経験しているのは非常に深刻な信用収縮だ。私はFRBによる利下げが解決策になるとは思っていない。市場で問われているのは「信用リスクの問題」だからだ。……銀行が他の銀行に融資するのをためらっているのは、相手がどのような財務状況なのかわからないからだ。この問題が解決されるまでは、金融市場は混乱した状況から逃れられない。(B・ステイル)
世界は、この紙切れに価値を見いだしてきたが、いまや、この紙切れの価値を支えるものが何であるかを考えだしている。(J・グラント)
経常収支の赤字が大きくなればなるほど、ドル安に振れると考えられてきた。だが、経常赤字は縮小しつつある。これには、サブプライム問題が関係している。この問題が生じたために、投資も住宅販売も不調になった。その結果、貯蓄も投資も下降線をたどり、経常赤字の調整が進んでいる。(J・テイラー)
2008年1月号
米上院の環境公共事業委員会のメンバーであるヒラリー・クリントンは、地球温暖化対策の法制化を支持してきた。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書を受けて2007年2月に発表した声明では、「(地球温暖化対策)に向けて行動を起こすことは、環境的に必要であると同時に経済的機会の創出にもつながる」と述べている。「排出権取引」を通じて2000年から2050年までに二酸化炭素の排出量を30%削減することを目的とする「2007年気候管理・技術革新法案」共同提案者の1人でもあるクリントンは、ペンタゴンの国防高等研究計画局を手本に、地球温暖化の危機に対処すべきだと自らのホームページで主張している。クリントンは、「地球温暖化・汚染削減法案」に先ごろ署名したが、この法案が成立すれば、二酸化炭素排出の削減に向けた「市場経済的アプローチ」が導入されることになる。「同法案は2007年前半に上院環境公共事業委員会にまわされたが、委員会で審議はストップしている。
「アメリカがイスラエルに尋常でない物的援助と外交支援を行っているのはおもにイスラエル・ロビーの働きかけの結果であり、このように漫然と無条件の支援を行うのは、アメリカの国益に合致しない」。両国共通の戦略的利益や価値観が形骸化してきているにもかかわらず、アメリカがイスラエルと同盟関係を維持しているのは、そうした空白をイスラエル・ロビーが埋めているからに違いない。これがミアシャイマーとウォルトが『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』で言いたかったことなのかもしれない。だが二人は、ワシントンの特定の路線が、イスラエル寄りの政治活動の結果なのか、アメリカの政策や戦略的利益の関係を考慮した結果なのかを区別せず、間違った判断を下しているし、そもそも「イスラエル・ロビー」とは何かを明確に定義していない。
2008年1月号
2008年1月号
麻薬・武器の密輸、HIVの拡散など、ミャンマーの軍事政権は国内の人権問題や抑圧だけでなく、国境地帯を不安定化させて近隣諸国も脅かしている。これまで、アメリカはミャンマーとの外交関係を制限し、ヨーロッパも政治改革の断行を強く求めてきたが、アジア諸国の多くは、軍事政権との貿易、援助、外交関係を拡大してきた。幸い、こうした国際社会の矛盾したアプローチも変化しつつある。東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本はすでにミャンマーへの建設的関与路線を見直しつつある。内政不干渉の原則を固持し、資源調達がらみの思惑からミャンマーを支援してきた中国とインドにも再考を促す必要がある。各国がそれぞれ一定の譲歩を示し、政策を調整することによって、共通の目標に向けて状況を進めていかなければならない。ミャンマー制裁を他の関与策とバランスよく組み合わせて包括的に実行しなければならない。ミャンマーがさらに孤立して自暴自棄に陥り、失われた世代が生まれるのを傍観するわけにはいかない。人道的な理由もさることながら、ミャンマーは東南アジアの安全保障と統合を阻む未解決の深刻な課題なのだから。
2008年1月号
「勝利を収め、治安を確保し、再建する」というのは簡単な手続きに思えるかもしれないが、歴史的にみて、軍事的に勝利を収めても、援助を与え、現地政府がプレゼンスを確立し、サービスを提供できる程度に治安を安定させ、国を再建できるようにならない限り、軍事的な勝利も瞬く間に陳腐化する。イラクもパキスタンもこのリスクに直面しているとみる軍事問題の専門家アンソニー・コーデスマンによれば、イラク南部では二つの武装勢力が権力抗争に向けた準備を整えつつあり、一触即発の状態にあるし、アフガニスタンにおいても2008年の春にタリバーンが再攻勢に転じ、深刻な危機をつくりだす恐れがある。そうでなくても、2月に予定されているパキスタンの議会選挙が実施されるかどうかを含めて、このタイミングで危機が生じる恐れがあり、その結果、パキスタンがタリバーンやアルカイダが好きにできるような混乱に陥っていく危険がある。「パキスタンの選挙からアメリカの大統領選挙が終わるまでの間に、われわれは、突如として愕然とするような事態に直面する危険がある」と同氏は語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
2008年1月号