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中国に関する論文

米外交問題評議会ミーティング
オルブライトVS.キッシンジャー
――米中・北朝鮮、ミサイル防衛、人道的介入の将来

2001年6月号

ジョージ・シュルツ ウォーレン・クリストファー  マドレーン・オルブライト ヘンリー・A・キッシンジャー

私が懸念しているのは、偵察機接触事故が、権力移行期に突入した中国において強硬派の立場を有利にしはしないか、一方でわれわれが中国を新たな敵対勢力と決めつける動きにつながりはしないかということだ。(オルブライト)

われわれがなすべきこと、われわれにできること、われわれが望むこと、そしてわれわれにはできないこと、これらを区別して理解しなければならないし、国益概念にはこれらのすべてがかかわってくる。(キッシンジャー)

米外交問題評議会ミーティング
キッシンジャーが読み解く新世界
――元大統領補佐官が語る新政権の課題

2001年5月号

リチャード・V・アレン、ロバート・C・マクファーレン  

アジアは外交的にはグローバル・システムの一部を形成しているが、戦略的には各国が互いに相手国を潜在的な敵対勢力と見なしていた十九世紀のヨーロッパと同じメカニズムでいまも動いている。だが、最大の問題は特定の一国がアジアを支配しようと試みることで、かつてそのような試みをした日本とアメリカは戦争をした。しかし、そのような試みが具体化していない現状では、中国を含むいかなる国も敵対国と見なすべきではない。(キッシンジャー)

米外交評議会緊急ミーティング
天安門ペーパーの衝撃

2001年2月号

ジェームス・ホーグ フォーリン・アフェアーズ誌編集長
ケニス・リーバサル 前国家安全保障会議アジア担当シニア・ディレクター
アンドリュー・ネーサン コロンビア大学政治学教授(天安門ペーパー共同編集者)
ジェームス・リリー 元駐北京アメリカ大使(1989-1991)
チャス・フリーマン 元国務省中国部長、元駐サウジ・アメリカ大使
オービル・シェル カリフォルニア大学教授

中国の民主改革路線派の人物によって、ひそかに中国から持ち出された膨大な量の中国政府機密文書を英訳・編纂した『天安門ペーパー』が書籍(The Tiananmen Papers, Public Affairs, New York)として二〇〇一年一月にアメリカで出版され、その抜粋がフォーリン・アフェアーズ二〇〇一年一/二月号に掲載された。この議事録は一月十一日にニューヨークの外交問題評議会で開かれたこの文書に関するディスカッションの要約・抜粋である。二人の元大使を含む五人の出席者はすべて中国専門家で、アンドリュー・ネーサンとオービル・シェルは天安門ペーパー編纂プロジェクトに直接かかわり、英語版の『天安門ペーパー』の序文とあとがきをそれぞれ書いている。またジェームス・リリーは天安門事件当時の駐北京アメリカ大使。

米中衝突を避けるには

2001年2月号 

デービッド・シャンボー

アメリカの将来にとって中国ほど重要な国はない。それだけに、中国との対立をもくろむ勢力がアメリカの政策立案過程を牛耳ることになれば、世界は大きく不安定化するだろう。朝鮮半島の情勢変化は、中国が受け入れるような形で、東アジア諸国とのアメリカの安全保障同盟を再定義・強化し、アメリカ軍の前方展開を維持できるような地域安全保障枠組みを構築する必要を高めている。新大統領は、対中政策を政治的論争から外すことの重要性を訴え、北京と台北に関するアメリカの死活的な利益が何であるかを明確にし、こうした複雑な関係を取り扱うための明確なビジョンを表明すべきである。

北東アジアの新局面

2001年2月号

ケント・E・カルダー 駐日アメリカ大使特別補佐官

金大中は南北首脳会談を通じて北朝鮮を孤立から救い出し、日本を安心させ、韓ロ双方にとって互恵的な経済取り決めによってロシアの利益認識も刺激してみせたが、北東アジアでの新たな力学はより大きくて予期せぬ変化を表へと引きずり出すかもしれない。一九九〇年代半ばに二十基だった台湾海峡地域に配備された東風二号などの短距離ミサイルの数は、九九年までに二百に達し、いまや一週間に一基ずつ増え続けている。現在形成されつつある流動性に満ちた北東アジア秩序には、一連の二国間安保関係だけでなく、トラック二プロセスを含む、より幅広い包括的安全保障メカニズムが必要である。

中国はデフォルトに陥るのか

2001年1月号

ウィリアム・ギャンブル  エマージング・マーケット・ストラテジーズ社プリンシパル

景気刺激策、軍事予算の拡大など、中国政府の歳出が増大しているにもかかわらず、歳入はますます先細りとなりつつある。中国では脱税行為が「制度化」されているために、税を負担することはむしろ危険な行為なのだ。
権限を持つ個人や集団が国家資源に寄生し、私腹を肥やし、社会を貧困化させる――これが今日の中国の姿なのだ。最終的に財政難が国庫を干上がらせ、国内の安定が大きく脅かされるばかりか、混乱は国外に波及するに違いない。

米本土防衛システムと中国の核戦力

2000年8月号

ブラッド・ロバーツ 防衛分析研究所研究員 ロバート・A・マニング 外交問題評議会シニアフェロー

米本土ミサイル防衛(NMD)システムを中国が自国の核抑止力に対する挑戦ととらえるのは間違いなく、大規模な核戦力やアメリカの防衛システムを圧倒するような対抗手段の構築に着手するかもしれない。ワシントン・モスクワ・北京間の調整を欠いた現在の核戦略トレンドは、「攻撃兵器」対「防衛システム」間のとめどない軍拡競争を招く危険があり、そうなればミサイル防衛によって解決されるはずの問題がより複雑化しかねない。ワシントンは、ミサイル防衛計画に中国の懸念や予想される反応を組み込む必要がある。

北京の軍事計画は中台紛争へのアメリカの介入を前提としており、アメリカの航空母艦を沈める必要性も視野に入れている。台北政府の軍事計画でもアメリカの介入が前提とされている。アメリカがどう出るかわからないと考えているのは、実際にはワシントンだけである。(フリーマン)

中国だけに焦点を絞り、台湾に苦言を呈し、アジアのほかの国々を緩衝地域としか考えなくなってしまうときに、アメリカの政策は危険な状態に陥る。中国に焦点を絞った政策ではなく、広範囲にわたる汎アジア的政策こそ、成功への処方箋である。(ウォルドロン)

マクドナルド中国へ行く

2000年8月号

ジェームズ・L・ワトソン/ハーバード大学教授

・マクドナルドやその他のグローバル文化の出現は、非民主的な社会でも出現しつつある中産階級の利益にかなっており、文化帝国主義ではない。
・香港の親たちは、近所のマクドナルドへ行くことを、よい子でいることやよい成績をとったときのご褒美にしている。
・どこまでがトランスナショナル(グローバルな共有文化)で、どこからがローカル(現地文化)なのかを区別することはますます難しくなっている――一体だれの文化なのかと考えるようなら、あなたはすでに「バス」に乗り遅れてしまっている。

なぜアメリカは対中路線を見直すべきか

2000年8月号

ポール・ヒール 外交問題評議会客員研究員

中国政府の外交路線が、政府指導層内における派閥の力学に左右されているというアメリカ政府の認識は間違っている。中国外交を左右する最大の要因は、北京の指導層が国際環境をどうとらえているかである。台湾をめぐる中国の強硬姿勢は、北京の国際環境の認識面での危機感がまったく新たな、おそらくは決定的な段階にまで達していることを意味する。アメリカの重要な利益が台湾で差し迫った危険にさらされているという認識を捨て去り、米中の相互利益を重視する現実主義路線への転換が必要である。

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