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人口減少と資本主義の終焉
―― われわれの未来をどうとらえるか

ザチャリー・カラベル  作家、コラムニスト、投資家

The Population Bust Demographic Decline and the End of Capitalism as We Know it

Zhachary Karabell アメリカの作家、コラムニスト、投資家で、金融企業エンベストネットのヘッド・グローバル・ストラテジスト。最近の著作にThe Leading Indicators: A Short History of the Numbers That Rule Our Worldがある。フォーリン・アフェアーズでは「重要なのはGDPではなく、生活レベルだ―― 資本主義の危機と社会保障」(2016年3月)、「主要経済指標という幻―― ビッグデータ時代の経済指標を(2014年4月)などを発表している。

2019年10月号掲載論文

ゼロ成長やマイナス成長の社会ではいかなる資本主義システムも機能しない。その具体例が、高齢化し、人口が減少している日本だ。人口の成長がゼロかマイナスの世界では、おそらく経済成長もゼロかマイナスになる。人口規模の小さな高齢社会では消費レベルも低下するからだ。既存の金融・経済システムが覆されることを別にすれば、これに関して、本質的な問題はない。今後、人口比でみれば、十分な食糧が供給され、潤沢に商品が出回るようになるかもしれない。気候変動への余波も緩和されるだろう。だが、資本主義はうまくいってもぼろぼろになり、悪くすると、完全に破綻するかもしれない。今後、世界の人口が減少してゆけば、経済成長は起きるだろうか。この設問にどう応えるかの準備ができていないだけでなく、どう答えるかさえ考え始めていない。これが世界の現実だ。

  • 重要な設問
  • 未来の人口
  • 人口が高齢化し、減少すれば

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