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社会に貢献できる金融システムを
―― 金融危機の本質的教訓を生かすには

ジリアン・テット フィナンシャル・タイムズ 米国版総合編集者兼編集委員会委員長

Faith-Based Finance How Wall Street Became a Cult of Risk

Gillian Tett イギリスのジャーナリストで文化人類学者。フィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版編集長を経て、現在は同紙編集委員会委員長。著書にSaving the Sun: How Wall Street Mavericks Shook Up Japan's Financial World and Made Billions, Fool's Gold: How Unrestrained Greed Corrupted a Dream, Shattered Global Markets and Unleashed a Catastropheなどがある。本誌に掲載された論文に「金融ビジネスに規律を与えるには―― 問題は金融が経済を支配していることだ」(2012年9月号)がある。

2019年8月号掲載論文

「経済を支配するのではなく、経済に奉仕する金融システムを構築する方法をアメリカは本当に知っているのだろうか」。悲しいことに、答えはおそらくノーだ。アメリカのバンカーが、規制当局、政治家、株主たちともに、金融危機とポピュリストの反動が再来するリスクを小さくすることを望むのなら、「ファイナンス」、「バンク」、「クレジット」の本来の意味を彼らのコンピュータスクリーン上に映し出しておくべきだ。これらの本来の意味に即して、銀行業を「目的達成のための手段で、信頼を基盤に社会グループによって遂行される活動」と捉えると、アメリカの金融の何が間違っていたか、将来に向けてそれをいかに是正していくべきかを考える助けになる。かつて同様に現在も、投資家は自身が理解していないことを過度に信用する傾向がある。信用市場を支えている信用の基礎を常に疑うしかない。

  • 金融と信条
  • デリバティブと証券化
  • 信用と信仰の違い
  • 「金融専門家文化」の弊害
  • 危機の教訓を生かすには

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