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デジタル企業の市場独占と消費者の利益
―― 市場の多様性とレジリエンスをともに高めるには

ビクター・メイヤー=ションバーガー  オックスフォード大学教授 (インターネット・ガバナンス・規制)
トーマス・ランゲ  独ブランドアインズ誌テクノロジー担当記者

A Big Choice for Big Tech
Share Data or Suffer the Consequences

Viktor Mayer-Schönberger オックスフォード大学教授(インターネット・ガバナンス・規制)
Thomas Ramge 独ブランドアインズ誌テクノロジー担当記者
英エコノミスト誌にも寄稿。2人はReinventing Capitalism in the Age of Big Dataの共著者。

2018年10月号掲載論文

グーグル、フェイスブック、アマゾンなどの「デジタルスーパースター企業」は、企業であるとともに、膨大な顧客データを占有する市場でもある。消費者の好みや取引について、運営会社がすべての情報を管理し、そのデータを使って独自の意思決定アシスタントに機械学習をさせている。買い手は「おすすめ」と選択肢の示され方に大きな影響を受ける。こうした市場は、レジリエントで分散化された伝統的市場よりも、計画経済に近い。しかも、状況を放置すれば、このデジタル市場は、外からの意図的な攻撃や偶発的な障害によってシステムダウンを起こしやすくなる。だが、必要なのは企業分割ではない。むしろ、スーパースター企業が集めたデータを匿名化した上で、他社と共有するように義務づけるべきだろう。データが共有されれば、複数のデジタル企業が同一データから最善の洞察(インサイト)を得ようと競い合うようになり、デジタル市場は分散化され、イノベーションも刺激されるはずだ。

  • スーパースター企業
  • デジタル企業=市場
  • デジタルサイトは計画経済に近い
  • 独占禁止法で対処できない理由
  • 企業間のデータ共有を
  • データ共有を機能させるには

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