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サウジアラビアとイラン
―― ビン・サルマンへの権力集中の意味合い

トビー・マティーセン オックスフォード大学 シニアリサーチフェロー(中東外交)

A Purge in Riyadh: What Mohammed bin Salman's Crackdown Means for Saudi Arabia and the Middle East

Toby Matthiesenオックスフォード大学セント・アンソニーカレッジのシニアリサーチフェロー。専門は国際関係、中東。著書にSectarian Gulf: Bahrain, Saudi Arabia, and the Arab Spring That Wasn't (Stanford University Press, 2013)がある

2017年12月号掲載論文

最近の政治的パージによって、ビン・サルマン皇太子は政治的ライバルを追い落としただけでなく、これまでアブドラ一族が支配してきた国家警備隊を含む、サウジの軍事組織の全てをいまや直接・間接に支配している。彼は、周辺地域が抱える問題の多くはテヘランが背後で操っているとみなし、イランに対してより強硬な路線をとっている。この現状は危険に満ちている。イラン脅威論を利用して国内のナショナリズムを煽りたてるビン・サルマンが、いまやサウジの権力を一手に担おうとしているからだ。テヘランに対する強硬路線をとるビン・サルマンをイスラエルが支持し、彼がサウジにおける自らの権力基盤を固めるなか、ワシントンからテルアビブ、リヤド、そしてアブダビをつなぐ、対イランの新たな枢軸が形成されつつある。

  • ビン・サルマンの思惑
  • 静かなパージ
  • 新しい外交ブロックの誕生
  • イラン対サウジ

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